【ITパスポート試験】No.146|グラフィック処理

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本記事では、グラフィックス処理で重要となる「色の表現」「画像の品質」「グラフィックソフトウェアの種類」について、RGBやCMYKといった色モデル、画素・dpi・ppi・解像度・階調の意味、そしてペイント系/ドロー系ソフトウェアの特徴を、見出しレベルを整理しながら丁寧に解説します。

目次

1. 色と色モデルの基礎

この章では、コンピュータが色をどのように扱っているのかを整理します。画面で見る色と、紙に印刷された色では仕組みが異なるため、RGBとCMY/CMYK、そして色相・明度・彩度という三つの観点を区別して理解することが大切です。また、加法混色と減法混色という二つの混色のしくみも確認します。

RGB

RGBは、赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の三つの光を組み合わせて色を表現する方式です。ディスプレイやスマホの画面では、各ピクセルの中に非常に小さなRGBの光点が配置されており、その明るさを変えることであらゆる色を作り出しています。RGB値が大きいほど光が強くなるため、三つすべてを最大にすると白、すべてをゼロにすると黒になります。

このように、光を足し合わせていくことで色を作るのがRGBの特徴です。画面に色を表示するとき、ソフトウェアは内部でRGBの数値を計算し、どのピクセルをどの明るさで光らせるかを決めています。Webやアプリの色指定で「R=255、G=128、B=0」のような数値が出てきたら、それはRGBで色を指定していると理解するとよいでしょう。

CMY・CMYK

CMYは、シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・イエロー(Yellow)の三つのインクを基本とする色の表現方式です。プリンタや印刷物では、この三色を重ねてさまざまな色を作りますが、実際には黒をきれいに出すためにK(Key plate、ブラック)を加えたCMYKが一般的に使われています。インクは光を吸収する性質があるため、インクを増やすほど暗くなっていくのがRGBとの大きな違いです。

たとえば、白い紙にシアンのインクをのせると赤系の光が多く吸収され、残った光が目に届くことで青みがかった色に見えます。シアンとイエローを重ねると赤と青の成分がより吸収され、緑が目立つようになります。このように、どの光をどれだけ吸収するかで色が決まるため、画面での色と印刷物の色が完全には一致しないことがある点にも注意が必要です。

色相・明度・彩度

色相・明度・彩度は、人間が色をどのように感じているかを三つの軸で表したものです。色相は、赤や黄、緑、青、紫といった「色みの種類」を示し、色相が変わると色のグループそのものが変わります。同じ赤系でも、黄寄りの赤や紫寄りの赤があるのは、色相が少しずつ異なるためです。

明度は、同じ色相の中でどれくらい明るいかを表します。明度が高くなると白に近づき、低くなると黒に近づきます。彩度は、その色がどれくらい鮮やかかを表し、彩度が高いほどビビッドでハッキリした色になり、彩度が低いほどグレーが混ざったように落ち着いた色になります。グラフィックソフトで色を調整するとき、「少し明度を上げて彩度を下げる」といった操作ができるのは、この三つの要素を分けて扱っているからです。

加法混色

加法混色は、光を足し合わせて新しい色を作る混色のしくみです。暗い場所で赤・緑・青のライトを当て、それぞれの明るさを変えながら重ねていくと、さまざまな色が作れます。三色すべてを強くすると白く、すべてを消すと真っ暗な黒になります。

ディスプレイやプロジェクタは、この加法混色を利用しています。ピクセルの中のRGBの光点をどの程度光らせるかによって、最終的な色が決まります。RGBという言葉を見かけたときには、「加法混色で色を表現している光の世界」の話だと考えると覚えやすくなります。

減法混色

減法混色は、インクや絵の具が光を吸収することで色を作る混色のしくみです。白い紙は多くの光を反射していますが、そこにシアンやマゼンタ、イエローのインクをのせると、一部の波長の光が吸収され、残った光だけが目に届きます。インクを増やすほど反射される光は少なくなるため、色は暗くなり、最終的には黒に近づきます。

プリンタや印刷機で使われるCMY/CMYKは、この減法混色の考え方に従っています。シアンとイエローを重ねると緑が、マゼンタとイエローを重ねると赤が強く見えるのは、不要な光が吸収された結果として残った光がそのような色に感じられるからです。画面のRGBと印刷のCMYKで色が違って見えるのは、加法混色と減法混色という仕組みの違いによるものだと理解すると、色合わせの難しさも納得しやすくなります。

2. 画像のきれいさを決める要素

この章では、画像の品質に関わる要素として、画素(ピクセル)、dpi、ppi、解像度、画面解像度、階調について説明します。どれも似たような言葉に見えますが、「どれだけ細かく」「どれだけなめらかに」表現できるかを別々の角度から示していると考えると整理しやすくなります。

画素(ピクセル)

画素(ピクセル)は、ラスタ画像を構成する最小単位の点です。画像は縦横に区切られたマス目の集まりであり、それぞれのマスに「この位置はこの色」という情報が保存されています。たとえば、1920×1080ピクセルの画像であれば、約200万個のピクセルが並んでいることになります。

ピクセル数が多いほど、同じ範囲の中により多くの点を配置できるため、細かなディテールまで表現できます。反対に、ピクセル数が少ない画像を大きく拡大すると、一つ一つのピクセルが目立ち、モザイクのようなギザギザした見た目になってしまいます。画像の情報量を把握するときは、まず縦横のピクセル数を確認することが重要です。

dpi

dpi(dots per inch)は、主に印刷の世界で使われる解像度の単位で、1インチあたりに何個の点を印刷できるかを表します。数値が高いほど、同じ大きさの紙の中により多くの点を打てるため、細い線や小さな文字もくっきり印刷できます。プリンタの仕様に「2400dpi」などと書かれているのは、この最大能力を示しています。

画像データに設定されているdpiは、「この画像を紙の上でどれくらいの密度で使う予定か」という目安にもなります。たとえば、300dpiを基準にしている印刷物では、仕上がりサイズとdpiから必要なピクセル数を逆算し、その条件を満たす画像を準備することが求められます。dpiは、ピクセル数と紙の上の物理的な大きさを結び付ける“変換レート”のような役割を持つと考えると分かりやすくなります。

ppi

ppi(pixels per inch)は、ディスプレイなどの画面で使われる指標で、1インチあたりに何個のピクセルが並んでいるかを表します。やはり数値が大きいほど、同じ大きさの画面の中にピクセルが密に詰まるため、文字や画像が滑らかに表示されます。スマホの高精細ディスプレイが「細かくてきれい」に見えるのは、このppiが非常に高いからです。

同じ1920×1080ピクセルでも、24インチモニタと5インチスマホではppiが大きく異なります。スマホは限られた面積に多数のピクセルが詰まっているため、一つ一つのピクセルはとても小さく、肉眼ではほとんど区別できません。ppiは、このように画面サイズとピクセル数のバランスを見て、見た目のきめ細かさを判断する指標として使われています。

解像度

解像度は、一定の範囲の中にどれくらい細かく点やピクセルを配置できるかを示す概念です。印刷の世界では解像度をdpiで表し、どれだけ密にインクの点を打てるかを示します。ディスプレイでは、ppiが同じ役割を果たしますが、「1920×1080の解像度」といった言い方をする場合は、画面全体のピクセル数を指していることもあります。

画像の解像度を考えるときは、単にピクセル数だけでなく、その画像がどれくらいの大きさで使われるかも合わせて意識する必要があります。たとえば、同じ2000ピクセル四方の画像でも、名刺サイズに使う場合とポスターサイズに引き伸ばす場合とでは、必要なdpiが大きく異なります。用途に応じて、どの解像度が適切かを判断できるようになることが大切です。

画面解像度

画面解像度という言葉は、文脈によって少し意味が変わります。ひとつは「1920×1080」「2560×1440」のように、縦横のピクセル数そのものを指す場合です。この場合は、画面にいくつのピクセルが並んでいるかという“論理的な解像度”の話になります。

もうひとつは、実際にどれくらいきめ細かく見えるかという観点で語られる場合で、ここではppiが重要になります。同じ1920×1080でも、画面が小さければppiが高くなり、画面が大きければppiが低くなります。したがって、画面解像度を評価するときには、「何×何ピクセルか」という情報と、「画面の物理的な大きさ」の両方を確認することが重要です。

階調

階調は、明るさや色の濃さをどれくらい細かく段階分けして表現できるかを示します。白から黒までをたった数段階でしか表現できない場合、グラデーションは段差のある帯のように見えてしまいますが、段階が増えるほどなめらかな変化を描けるようになります。一般的なディスプレイでは、赤・緑・青それぞれを256段階で表現できるため、約1677万色の表示が可能です。

階調が不足していると、夕焼けの空やぼかし表現などで、色がなめらかにつながらず、輪状の段差が見えてしまうことがあります。画像の品質を考えるときには、解像度だけでなく、この階調の豊かさも大きな要素になります。撮影や保存の設定でビット数を変更できる場合は、「どこまで階調を確保するか」という観点からも選択するとよいでしょう。

3. グラフィックソフトウェアの種類

この章では、画像を作成・編集するためのグラフィックソフトウェアについて、ペイント系ソフトウェアとドロー系ソフトウェアの違いを説明します。どちらもグラフィックス処理を行いますが、内部で扱っているデータや得意な分野が異なるため、用途に応じた使い分けが重要です。

ペイント系ソフトウェア

ペイント系ソフトウェアは、キャンバスをピクセルの集まりとして扱い、その色を直接塗り替えていくタイプのソフトウェアです。ユーザーがブラシツールで線を引いたり、スタンプで模様を押したりすると、その結果がラスターデータとして保存されます。写真編集ソフトや、いわゆる「お絵描きソフト」の多くがこのペイント系に分類されます。

ペイント系ソフトウェアは、写真のレタッチや陰影の豊かなイラスト、絵の具のような質感を生かした表現が得意です。一方で、一度描いた線を大きく拡大すると画質が荒れやすく、線の太さや形だけを後からきれいに変更するのは少し苦手です。ラスターデータという性質上、「描いたサイズ付近で使う画像」や「写真のような複雑な色変化を伴う画像」に向いていると考えると分かりやすくなります。

ドロー系ソフトウェア

ドロー系ソフトウェアは、直線や曲線、四角形や円などの図形を、ベクターデータとして扱うタイプのソフトウェアです。ユーザーが描いた線は、「始点と終点の座標」「カーブの形」「線の太さや色」といった情報として記録されます。そのため、どれだけ拡大・縮小しても線は数式に基づいて再計算され、ギザギザになりにくいという特徴があります。

ロゴマークやアイコン、図解、チラシやポスターのレイアウトなど、形がはっきりしたデザインを作る場面に特に向いています。また、線の色や太さ、図形の配置を後から柔軟に変更できるため、修正作業が多いデザイン業務でも扱いやすい形式です。ただし、写真のような複雑な濃淡表現には向かないため、必要に応じてペイント系ソフトウェアで作成したラスタ画像を貼り込むなど、両者を組み合わせて運用することが一般的です。

まとめ

グラフィックス処理を理解するうえでは、まず色の表現方法を押さえることが大切です。画面ではRGBによる加法混色、印刷ではCMY/CMYKによる減法混色が使われており、同じ「赤」に見える色でも、光を足すのか引くのかという仕組みがまったく異なります。さらに、色相・明度・彩度という三つの軸で色を捉えることで、デザイン現場で行われる細かな色調整の意味も見えやすくなります。

次に、画像の品質は、画素数だけでなく、dpiやppiに代表される「どれくらい細かく点やピクセルを配置しているか」、そして明るさや色の段階をどこまで細かく分けられるかを示す階調によって決まります。印刷ではdpi、画面ではppiを基準にしながら、用途に応じてどの解像度が適切かを判断することが重要です。ピクセル数と物理的な大きさの両方を意識できると、画像の仕上がりをイメージしやすくなります。

最後に、グラフィックソフトウェアには、ピクセルを直接扱うペイント系と、図形情報を扱うドロー系という二つのタイプがあり、それぞれ得意分野が異なります。写真編集やペイント風のイラストにはペイント系、ロゴや図解・レイアウトにはドロー系が向いています。色の仕組み、画像の品質、ソフトウェアの特徴を総合的に理解しておくことで、目的に合ったツールと設定を選び、より美しく分かりやすいグラフィックス表現を行えるようになります。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

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