本記事では、コンピュータに情報を入力したり処理結果を出力したりする「入出力装置」について、代表的な装置の種類と特徴を整理しながら、どのような場面で使われているのかを分かりやすく解説します。
1. 文字入力とポインティングデバイス

この章では、コンピュータに文字や操作情報を入力する装置を取り上げます。文字を打ち込むキーボードと、画面上のカーソルを動かすポインティングデバイスは、ほとんどのコンピュータで標準的に利用されている基本的な入力装置です。
キーボード
キーボードは、文字や数字、記号などを入力するための代表的な入力装置です。アルファベットや数字、かなキー、ファンクションキーなど多くのキーが並んでおり、キーを押すことで対応する情報がコンピュータに送られます。文章作成やプログラミングなど、文字入力を伴うあらゆる作業で欠かせない存在です。
最近では、デスクトップ用の有線キーボードだけでなく、Bluetoothで接続するワイヤレスキーボードや、薄型で持ち運びしやすいモバイル用キーボードなど、用途に応じたさまざまな種類があります。キーの押し心地や配列の違いが作業効率に影響することも多いため、長時間入力する場合には自分に合ったキーボードを選ぶことが重要です。
ポインティングデバイス
ポインティングデバイスは、画面上のポインタ(矢印)を動かし、ボタンやアイコンを指し示したりクリックしたりするための入力装置です。代表的なものにマウス、タッチパネル、ジョイスティック、ペンタブレットなどがあります。これらを使うことで、キーボード操作だけでは難しい直感的な操作が可能になります。
マウスは、机の上で本体を動かすことでポインタを操作し、クリックやホイールで選択やスクロールを行う装置です。タッチパネルは、画面を直接指で触れて操作する方式で、スマートフォンやタブレットで主流になっています。ジョイスティックはゲーム機などで利用されるレバー型の装置で、ペンタブレットはペンを用いて絵や文字を入力する装置です。このように、ポインティングデバイスは用途や操作性に応じて多様な種類があり、適切なものを選ぶことで作業効率や操作性を高めることができます。
2. 画像・映像を扱う入力装置

この章では、紙の資料や現物の情報、映像などをコンピュータに取り込む装置について解説します。文字だけではなく、画像や動画を扱えるようにすることで、コンピュータの利用範囲が大きく広がります。
イメージスキャナー
イメージスキャナーは、紙の文書や写真などを読み取り、画像データとしてコンピュータに取り込むための装置です。原稿をガラス面に置いてスキャンするフラットベッド型や、紙を自動で送り込みながら連続読み取りできるシートフィード型などがあります。紙の資料を電子データに変換することで、保管スペースの削減や検索性の向上に役立ちます。
スキャンしたデータは、画像として保存するだけでなく、OCR(文字認識)ソフトと組み合わせることで、紙の文書を編集可能なテキストデータに変換することも可能です。これにより、紙で受け取った書類を電子化して再利用したり、社内文書を電子保管したりするなど、業務の効率化につながります。
バーコードリーダー
バーコードリーダーは、商品などに印刷されたバーコードを読み取り、そこに記録されたコード情報をコンピュータに入力する装置です。スーパーやコンビニのレジ、倉庫での在庫管理など、流通・販売の現場で広く利用されています。バーコードをスキャンするだけで商品コードや価格などの情報を素早く読み取れるため、手入力の手間やミスを大幅に減らせます。
最近では、スマートフォンのカメラを利用してバーコードやQRコードを読み取るアプリも一般的になっています。専用のバーコードリーダーと比べて読み取り速度や精度は用途によって差がありますが、小規模店舗や在庫管理などでは、モバイル端末と組み合わせて柔軟に活用されるケースが増えています。
Webカメラ
Webカメラは、コンピュータに接続して映像を取り込むための小型カメラです。ノートPCに内蔵されているものや、外付けとしてUSBで接続するタイプがあります。オンライン会議やビデオ通話、ライブ配信などで、自分の映像や周囲の様子をリアルタイムに相手へ伝える役割を持ちます。
Webカメラの映像は、そのまま通話に使うだけでなく、録画して教材やマニュアル動画を作成したり、顔認証などのセキュリティ機能に利用されたりすることもあります。近年はリモートワークやオンライン授業の普及により、Webカメラは重要な入出力装置の一つとして位置づけられるようになっています。
3. 画面表示とプレゼンテーションの出力装置

この章では、コンピュータが処理した結果を画面に表示したり、大勢の人に見せたりするための出力装置を取り上げます。日常のPC作業から会議や授業でのプレゼンテーションまで、視覚情報の提示に欠かせない装置です。
ディスプレイ
ディスプレイは、コンピュータから送られてきた情報を画面に表示する装置です。現在主流なのは液晶ディスプレイや有機ELディスプレイで、それぞれ表示の仕組みや特徴が異なります。液晶ディスプレイは比較的低消費電力で価格も抑えやすく、オフィス用や家庭用として広く普及しています。
一方、有機ELディスプレイは、画素一つひとつが自ら光る構造のため、コントラストが高く、黒を深く表示できる特徴があります。スマートフォンや高級テレビなどに多く採用されており、鮮やかな映像表現が求められる場面に適しています。また、特別なタイプとして、頭部に装着して視界に映像を表示するヘッドマウントディスプレイもあります。これはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の体験に利用され、没入感の高い映像体験を提供します。
プロジェクター
プロジェクターは、コンピュータの画面を拡大してスクリーンや壁に投影する出力装置です。会議室や教室、イベント会場などで、資料や映像を多数の人に見せる目的で利用されます。ディスプレイよりも大きな画面を表示できるため、大人数で情報を共有したい場面に適しています。
最近のプロジェクターは、小型・軽量なモデルも多く、ノートPCと一緒に持ち運んで出先でプレゼンテーションを行うといった使い方も一般的です。また、短焦点レンズを備え、スクリーンに近い位置からでも大画面を投影できるモデルや、天吊り設置して常設運用するモデルなど、利用シーンに応じた多様な製品が存在します。
4. 印刷・造形の出力装置

この章では、コンピュータ内のデータを紙や立体物として実体化する出力装置を扱います。画面上だけでなく、手に取れる形で情報を残すことで、新たな活用方法が生まれます。
プリンター
プリンターは、文書や画像を紙などの媒体に印刷する装置です。インクジェットプリンターやレーザープリンターが代表的で、インクジェットは写真やカラー印刷に、レーザーは大量のモノクロ文書印刷に向いているといった違いがあります。家庭やオフィスで、レポートや資料、写真などを印刷する際に利用されます。
最近では、プリンターにスキャナーやコピー機能、FAX機能を組み合わせた複合機も広く普及しています。ネットワーク接続に対応したプリンターであれば、複数のPCやスマートフォンから同じプリンターを共有して利用できるため、オフィスの効率的な運用にもつながります。
3Dプリンター
3Dプリンターは、立体データをもとに樹脂や金属粉などの材料を少しずつ積み重ねて、三次元の立体物を造形する装置です。従来のプリンターが紙に二次元の情報を印刷するのに対し、3Dプリンターは実物の模型や部品を作り出せる点が大きな特徴です。試作品の作成や、複雑な形状の部品製造、教育用教材の作成など、多くの分野で活用が進んでいます。
3Dプリンターを利用することで、従来は金型を作る必要があった製品も、データさえあれば少量から柔軟に製造できるようになります。その一方で、材料の種類や強度、造形時間などの制約もあるため、用途に応じた機種選びや設計が重要です。ITパスポート試験では、3Dプリンターが「立体物を出力する装置」であることを押さえておけば十分ですが、実社会ではものづくりの在り方を変える技術として注目されています。
まとめ
この章では、代表的な入出力装置の種類と特徴を振り返ります。コンピュータは本体だけではなく、キーボードやポインティングデバイス、スキャナーやバーコードリーダー、Webカメラといった入力装置から情報を受け取り、ディスプレイやプロジェクター、プリンターや3Dプリンターといった出力装置を通じて結果を人間に伝えています。どの装置も、コンピュータと人との橋渡し役として重要な役割を担っています。
入力装置は、文字や数値、画像、バーコード、映像など、さまざまな形の情報をコンピュータに取り込むために用いられます。一方、出力装置は、処理結果を画面表示したり、紙や立体物として残したり、大勢に見せるために拡大投影したりと、用途に応じて多様な形で情報を提示します。装置ごとの特徴を理解しておくことで、実務の場面で「どの装置を使うと効率的か」を判断しやすくなります。
今後も新しい入出力装置やスマートデバイスが登場し、より自然で直感的な情報のやり取りが可能になっていきます。基礎として、今回取り上げた代表的な入出力装置の名前と役割をしっかり押さえておけば、ITパスポート試験の学習だけでなく、日常生活や仕事でコンピュータを活用する際にも大いに役立つでしょう。

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