【ITパスポート試験】No.115|処理形態

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本記事では、コンピュータシステムの「処理形態」として代表的な集中処理・分散処理・並列処理・レプリケーションの考え方と特徴を整理し、システム構成をイメージしながら違いを理解できるように解説します。


目次

1. 代表的な処理形態の種類と特徴

処理形態とは、コンピュータがどこで、どのように仕事を分担して処理を行うかという構成の違いを指します。処理を一か所に集中させるのか、複数のコンピュータに分けるのか、同じ処理を同時に並べて行うのか、あるいは予備として複製しておくのかといった観点で分類され、それぞれ性能・信頼性・コストに与える影響が異なります。

集中処理

集中処理は、1台のコンピュータ(ホストコンピュータ)に処理を集めて行う形態です。利用者は端末やクライアントからホストに接続し、実際の計算やデータ処理はホスト側でまとめて実行されます。昔のメインフレームとダム端末の構成をイメージすると分かりやすい形態です。

この方式では、処理やデータが一か所に集まっているため、管理がしやすく、セキュリティポリシーも集中して適用できます。一方で、ホストコンピュータに負荷が集中しやすく、性能のボトルネックになりがちな点がデメリットです。また、ホストに障害が発生するとシステム全体が止まってしまうなど、単一障害点(SPOF)になりやすいことも重要な特徴です。

分散処理

分散処理は、複数のコンピュータに処理を分けて行わせる形態です。業務ごとにサーバを分けたり、拠点ごとにサーバを設置したりして、それぞれが担当する処理を受け持ちます。最近のクライアントサーバシステムやクラウド環境では、分散処理の考え方が広く使われています。

分散処理のメリットは、負荷を複数のコンピュータで分担できるため性能を向上させやすいことと、障害発生時の影響範囲を限定しやすいことです。特定のサーバが停止しても、他のサーバでサービスを継続できるように設計することも可能です。ただし、サーバ間でデータの整合性を保つ仕組みや、ネットワークの設計が複雑になりやすい点が注意点となります。

並列処理

並列処理は、同じ処理や類似の処理を複数のプロセッサやコンピュータで同時に実行する形態です。大量のデータを細かく分割し、それぞれを別々のCPUや計算ノードに割り当てて一気に処理するイメージです。スーパーコンピュータや、大量データの解析処理などでよく利用されます。

並列処理では、一つ一つを順番に処理する場合と比べて、全体としての処理時間を大きく短縮できる可能性があります。特に、同じような計算を大量に繰り返す処理では効果が高くなります。ただし、すべての処理がきれいに分割できるとは限らず、並列化の前後処理や結果の統合に時間がかかると、期待したほどの性能向上が得られない場合もあります。また、並列処理のためのプログラム設計も難しくなる傾向があります。

レプリケーション

レプリケーションは、データやシステム構成を他のコンピュータに複製しておく仕組みです。代表例としては、データベースサーバを複数台用意し、1台を「マスター」、もう1台を「レプリカ」として同じデータをコピーし続ける構成が挙げられます。利用者から見るとどちらのサーバを使っても同じデータにアクセスできるようになっています。

レプリケーションを行うことで、一方のサーバに障害が発生した場合でも、もう一方のサーバに切り替えてサービスを継続しやすくなります。また、読み取り処理を複数のサーバで分散し、性能を向上させることもできます。その一方で、複数のサーバ間で常にデータを同期する必要があるため、更新のタイミングによっては一時的にデータの差が生じることがあります。どの程度の時間差まで許容するのかを、システムの要件に応じて慎重に設計することが重要です。


まとめ

処理形態は、システムの「どこで」「どのように」仕事をさせるかを決める重要な考え方です。集中処理は管理のしやすさ、分散処理は柔軟性と拡張性、並列処理は高速化、レプリケーションは信頼性や可用性の向上といったように、それぞれ得意分野が異なります。

システムを設計するときには、単に1つの処理形態を選ぶのではなく、業務の特性や求められる性能、障害に対する強さ、コストなどを総合的に考えて組み合わせていくことが大切です。たとえば、分散処理のサーバ同士でレプリケーションを行ったり、一部のバッチ処理に並列処理を取り入れたりするなど、複数の考え方を併用するケースが一般的です。

処理形態の名称だけを暗記するのではなく、「どんな構成かイラストで描けるか」「どのような場面で向いているか」「どんなメリット・デメリットがあるか」をセットで整理しておくと理解が深まります。そうしておくことで、問題文に具体的なシステム構成が書かれていても、どの処理形態を説明しているのかを落ち着いて判断できるようになります。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
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