【ITパスポート試験】No.072|開発プロセスに関するフレームワーク

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本記事では、ソフトウェア開発の進め方そのものを整理・改善するための「開発プロセスに関するフレームワーク」について解説します。共通フレーム(SLCP)による作業項目の標準化と、能力成熟度モデル/CMMIによるプロセス成熟度の評価・改善という二つの視点から、組織として開発力を高める考え方を整理していきます。


目次

1. 共通フレームでそろえる開発プロセス

この章では、ソフトウェア開発とその取引をスムーズに行うための「共通フレーム」と、そのベースとなるSLCP(Software Life Cycle Process)の考え方を解説します。発注側・受注側が同じ物差しで会話できることの意味をイメージしながら読み進めてください。

共通フレームとは

共通フレームとは、ソフトウェア開発とその取引の適正化を目的として、開発ライフサイクルに関わる作業項目を一つの枠組みで定義・標準化したものです。要件定義や設計、開発、テスト、導入、保守など、ソフトウェアの企画から廃棄までの流れを、共通の用語と構成で整理しています。

この共通フレームにより、発注者とベンダーが「どの工程で、誰が、どんな作業を行うのか」を同じ前提で話せるようになります。例えば、見積りや契約書を作る際にも、「共通フレームのどのプロセスを対象にするのか」を明確にできるため、認識のズレや抜け漏れを減らすことができます。

SLCP(Software Life Cycle Process)の基本的な考え方

SLCP(Software Life Cycle Process)は、ソフトウェアのライフサイクルにおけるプロセスを体系的に整理したもので、共通フレームの基礎となっている考え方です。企画・要件定義・設計・実装・テスト・運用・保守といったプロセスを、さらに細かな活動や成果物の単位まで分解して定義しています。

SLCPのような標準的な枠組みがあることで、「自社の開発プロセスがどの部分をカバーしているか」「どの作業を外部委託するのか」などを一覧性高く把握できます。ITパスポート試験では、共通フレームとSLCPが「ソフトウェア開発に関する作業項目を標準化した枠組み」である点を押さえておくとよいでしょう。


2. 能力成熟度モデルでプロセスのレベルを評価する

この章では、開発と保守のプロセスを評価・改善するための「能力成熟度モデル」と、その代表例であるCMMIの考え方を整理します。組織として「今どのレベルにいるか」を客観的に見るための物差しと考えるとイメージしやすくなります。

能力成熟度モデルとは

能力成熟度モデルとは、システム開発組織のプロセス成熟度を段階的なレベルで表し、評価・改善の道筋を示すモデルの総称です。個々のプロジェクトの出来不出来ではなく、「組織として開発・保守のプロセスがどれだけ整備され、再現性のある成果を出せる状態か」を測るために用いられます。

このモデルを使うことで、「属人的なやり方に頼っている段階」なのか、「標準化されたプロセスに基づき、継続的に改善できている段階」なのかといった違いを明確にし、次に目指すべき状態を具体的にイメージしやすくなります。

CMMIの基本と5段階の成熟度レベル

CMMI(Capability Maturity Model Integration)は、能力成熟度モデルの代表的な例で、組織のプロセス成熟度を5段階のレベルで定義しています。ITパスポート試験では、細かなプロセス領域まで暗記する必要はありませんが、「レベルが上がるにつれてプロセスが標準化され、管理・改善の仕組みが高度になる」という流れを押さえておくことが大切です。

一般的なイメージとしては、次のように理解しておくと整理しやすくなります。

  • レベル1:場当たり的な実施段階で、プロセスが標準化されておらず、プロジェクトごとのばらつきが大きい状態。
  • レベル2:基本的なプロジェクト管理プロセスが整備され、計画や進捗管理が一定のルールのもとで行われる状態。
  • レベル3:組織として標準プロセスが定義され、各プロジェクトがそれに基づいて実施される状態。
  • レベル4:プロセスが数値的に管理され、品質や生産性を定量データに基づいて把握・制御している状態。
  • レベル5:プロセス改善が継続的に行われ、新しい技術や手法を取り入れながら、組織全体で最適化を図っている状態。

CMMIを用いることで、自社が現在どのレベルに相当するかを評価し、「まずはレベル2を安定させよう」「次はレベル3の標準プロセス整備に取り組もう」といった形で、段階的な改善計画を立てることができます。


まとめ

本記事では、開発プロセスに関するフレームワークとして、共通フレーム(SLCP)と能力成熟度モデル/CMMIを取り上げました。共通フレームは、ソフトウェア開発とその取引を適正化するために、ライフサイクル上の作業項目を標準化した枠組みであり、発注側と受注側が同じ前提で工程や作業範囲を話し合えるようにする役割を持ちます。

一方、能力成熟度モデルは、開発・保守プロセスの整備状況を段階的なレベルで表し、組織のプロセス成熟度を評価・改善するための物差しです。その代表例であるCMMIでは、レベル1からレベル5までの5段階で、場当たり的なプロジェクト運営から、標準化・数値管理・継続的改善へと進化していく姿が示されています。

これらのフレームワークを組み合わせることで、「どんな作業プロセスを持つべきか」と「プロセスの成熟度をどう高めていくか」という二つの視点から、組織の開発力を体系的に伸ばすことができます。ITパスポート試験では、共通フレーム(SLCP)が作業項目の標準化、CMMIがプロセス成熟度の評価・改善という役割を持つことを押さえ、開発プロセスを巡る全体像として理解しておくと良いでしょう。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
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