【ITパスポート試験】No.065|提案書

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本記事では、「提案書」とは何か、その役割と内容を整理して解説します。提案書は、ベンダー企業が提案依頼書(RFP)を基に検討したシステム構成や開発手法などを、依頼元に対して正式に提案するための文書です。本記事では、提案書に盛り込まれる項目や、依頼元がどのような視点で内容を読み取ればよいかを、流れに沿って分かりやすく説明していきます。


目次

1. 提案書の役割とRFPとの関係

この章では、提案書の基本的な役割と、RFPとの関係性を整理します。調達の流れの中で、どこで提案書が登場し、何を果たすのかをイメージしておきましょう。

提案書とは何か

提案書とは、ベンダー企業が依頼元から受け取ったRFPを読み込み、その内容を踏まえて「このようなシステム構成・開発手法であれば、依頼元の目的を達成できます」という提案をまとめた文書です。

単なるカタログや価格表ではなく、依頼元の業務課題やシステム化の目的に対して、どのような解決策を提供するのかを示す「回答書」の役割を持ちます。情報システム調達では、この提案書がベンダー選定の重要な判断材料となります。

RFPを基にした具体化の文書

RFPは、依頼元側が「何をしてほしいか」を整理した文書でした。一方、提案書は、それに対してベンダー側が「どのように実現するか」を示す文書です。

RFPで示されたシステム概要や提案依頼事項、調達条件などを前提に、提案書では具体的なシステム構成案、開発の進め方、スケジュール、費用、運用・保守の体制などが説明されます。つまり、RFPと提案書はセットで1つの対話になっていると考えると分かりやすいです。


2. 提案書に盛り込まれる主な内容

この章では、一般的な提案書にどのような内容が書かれているのかを整理します。実際の提案書の構成をイメージできるようになると、試験問題でも理解しやすくなります。

システム構成の提案

提案書の中心となるのが、システム構成に関する部分です。ここでは、どのようなサーバやネットワーク構成にするのか、クラウドを利用するのかオンプレミスにするのか、どのソフトウェアやミドルウェアを採用するのかといった点が説明されます。

また、業務システム同士の連携方法やデータの流れ、セキュリティ対策の概要なども記載されることが多いです。依頼元は、自社の業務・規模・セキュリティポリシーに合った構成になっているかを読み取ることが求められます。

開発手法とプロジェクトの進め方

提案書には、どのような開発手法でプロジェクトを進めるかも記載されます。たとえば、ウォーターフォール型で段階的に進めるのか、アジャイル型で短いサイクルを繰り返すのか、といった選択です。

併せて、要件定義・設計・開発・テスト・移行・教育といった工程ごとのスケジュール案や、レビューのタイミング、品質管理の方法なども示されます。依頼元は、プロジェクトの進め方が自社の体制や意思決定のスピードに合っているかを確認します。

費用見積もりとスケジュール

費用とスケジュールも、提案書の重要な要素です。初期導入費用だけでなく、運用・保守にかかる費用、ハードウェアやソフトウェアのライセンス費用などが、項目ごとに見積もられます。

スケジュールについては、プロジェクト開始から本番稼働、安定運用までの期間が示され、それぞれの工程の開始・終了時期が記載されます。依頼元は、自社の予算枠や導入希望時期と整合が取れているかを確認しながら、提案の妥当性を評価します。

運用・保守・サポート体制

提案書には、システム導入後の運用・保守・サポート体制についても記載されます。具体的には、問い合わせ窓口の対応時間、障害時の対応フロー、定期保守の内容、バージョンアップやバックアップの方針などです。

情報システムは導入して終わりではないため、運用段階のサポート内容が十分かどうかは非常に重要です。提案書のこの部分を読むことで、ベンダーがどこまで責任を持ってくれるのか、長期的な付き合いが可能かどうかを判断できます。


3. 良い提案書を見分けるポイント

この章では、依頼元の立場から、提案書のどこを見て評価すればよいのかという観点を整理します。ITパスポート試験では、こうした観点が選択肢として問われることが多いため、イメージで押さえておきましょう。

RFPの要件との適合性

最も基本的なポイントは、RFPで示した要件にきちんと答えているかどうかです。RFPで「必須」とされた機能や条件が、提案書のどこに、どのように満たされているかを確認します。

もしRFPの要件に対して十分な説明がない場合、提案内容の妥当性を判断しにくくなります。逆に、要件ごとに対応方針が整理されている提案書は、依頼元にとって評価しやすく、信頼度も高まりやすいと言えます。

リスクや課題への配慮

良い提案書は、都合の良い点だけでなく、想定されるリスクや課題にも触れています。たとえば、データ移行時のリスク、既存システムとの連携で発生しうる問題、開発スケジュール上の懸念点などです。

そして、そのリスクに対する対策や、万一発生した場合の対応方針が示されていれば、依頼元としても安心して検討できます。リスクにまったく触れていない提案書は、一見魅力的でも現実性に欠ける可能性があると考えられます。

将来性・拡張性の観点

情報システムは、導入後も業務の変化や会社の成長にあわせて拡張していくことが多いです。そのため、提案書の中で、将来の拡張性や他システムとの連携可能性、技術の継続性などにどの程度配慮しているかも重要な評価ポイントになります。

たとえば、標準的で広く利用されている技術を採用しているか、クラウドサービスの場合は将来のスケールアップに対応できるか、といった点が検討対象になります。


4. 提案書作成と評価の実務的な流れ

この章では、ベンダー側が提案書をどのように作成し、依頼元側がそれをどう評価していくのかという流れを簡単に整理します。全体のイメージをつかんでおくと、調達プロセスへの理解が深まります。

ベンダー側の提案書作成プロセス

ベンダー企業は、まずRFPを入念に読み込み、依頼元の業務や課題、求められている要件を整理します。そのうえで、自社の製品・サービス・ノウハウを組み合わせて最適と思われる解決策を検討し、システム構成案や開発計画を作り上げていきます。

この過程で、営業担当者だけでなく、システムエンジニアやプロジェクトマネージャなどが協力しながら内容を詰めていきます。最終的に、依頼元にとって分かりやすい構成にまとめ、提案書として提出します。

依頼元による評価とフィードバック

依頼元は、複数のベンダーから提出された提案書を、あらかじめ決めた選定基準に基づいて評価します。機能面、技術面、費用、スケジュール、サポート体制などを総合的に比較し、点数化したり、コメントを付けたりしながら検討を進めます。

評価の結果、優先候補となるベンダーを絞り込み、必要に応じてプレゼンテーションや質疑応答を行います。その際、提案書の内容をさらに深掘りし、疑問点や懸念点を解消してから、最終的な調達先を決定します。


まとめ

本記事では、提案書が「ベンダー企業が、RFPを基に検討したシステム構成や開発手法などの内容を、依頼元に対して提案するために作成する文書」であることを確認しました。RFPが「何をしてほしいか」を示す文書であるのに対し、提案書は「どのように実現するか」を示す文書であり、両者は調達プロセスの中でセットで機能します。

提案書には、システム構成案、開発手法とプロジェクト計画、費用・スケジュール、運用・保守・サポート体制などが盛り込まれます。依頼元は、これらの内容がRFPの要件にどれだけ適合しているか、リスクや将来性にどこまで配慮しているかといった観点から、複数の提案を比較・評価していきます。

提案書は、単なる見積書ではなく、システム導入の方針そのものを示す重要な文書です。ITパスポート試験では、「提案依頼書(RFP)」と「提案書」の役割の違いを意識しながら、調達の流れの中でどこに位置づけられているのかをセットで理解しておくと、関連する問題をスムーズに解けるようになるでしょう。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

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