【ITパスポート試験】No.064|提案依頼書

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本記事では、情報システムを調達するときに作成する「提案依頼書(RFP)」について解説します。導入したいシステムの概要や、ベンダーに提案してほしい内容、そして価格や納期などの調達条件をどのように文書にまとめ、提案書の提出を依頼するのか、その役割とポイントを整理していきます。


目次

1. 提案依頼書の役割と位置づけ

この章では、提案依頼書とは何か、調達プロセスの中でどのような役割を果たすのかを整理します。単なる「見積もり依頼」の紙ではなく、システム導入の成否を左右する重要な文書であることをイメージしておきましょう。

提案依頼書とは何か

提案依頼書(RFP:Request For Proposal)は、ベンダー企業に対して「このようなシステムを導入したいので、具体的な提案をしてください」と正式に依頼するための文書です。ここには、導入するシステムの概要、ベンダーに検討してほしい提案依頼事項、価格や納期などの調達条件が記載されます。

ポイントは、調達する側が主導して「前提」と「期待する内容」をはっきり示すことです。これにより、ベンダーは共通の条件のもとで提案を行うことができ、後で複数の提案を比較しやすくなります。

調達プロセスの中での位置づけ

提案依頼書は、情報提供依頼(RFI)で市場や技術の情報を集めた後、具体的な候補を絞り込んでいく段階で使われます。RFIが「情報を教えてください」という段階なのに対し、RFPは「この条件で提案書を出してください」という、より踏み込んだ依頼です。

RFPに基づいてベンダーから届く提案書や見積書は、その後の比較評価・調達先選定の材料となります。したがって、RFPの作り方次第で、どのような提案が集まり、どれだけ公平に比較できるかが大きく変わってきます。


2. 提案依頼書に盛り込む内容

この章では、提案依頼書にどのような内容を書き込むのかを整理します。導入システムの概要・提案依頼事項・調達条件という三つの柱に分けて考えると、構成をイメージしやすくなります。

導入システムの概要

まず必要なのが、導入を検討しているシステムの概要です。ここでは、システム化の目的、対象業務の概要、想定している利用者数や拠点数、取り扱うデータ量のイメージなどを記載します。

この部分があいまいだと、ベンダーは前提条件を推測しながら提案せざるを得ず、提案内容もバラバラになりがちです。逆に、業務フローや課題、求める将来像が適切に説明されていれば、ベンダーは自社の状況に合った現実的な提案を行いやすくなります。

提案依頼事項の明確化

次に重要なのが、提案依頼事項です。ここでは、「どのような観点で提案してほしいか」を具体的に示します。例としては、システム構成案、機能の概要、運用・保守体制、移行方法、教育計画、セキュリティ対策、スケジュール案などが挙げられます。

提案依頼事項をあらかじめ列挙しておくことで、複数ベンダーからの提案内容を同じ観点で比較できるようになります。逆に、依頼事項が不足していると、重要なポイントについて提案がなかったり、ベンダーごとに着眼点がバラつき、公平な評価が難しくなったりします。

調達条件の提示

調達条件とは、価格だけでなく、契約形態や納期、支払条件、保守期間など、システム導入を取り巻く前提条件のことです。たとえば、「導入希望時期」「最大予算の目安」「契約期間」「必要なサービスレベル(SLA)」などを記載します。

これらの条件を事前に明示することで、ベンダーは現実的な範囲で提案内容を調整することができ、後から「その条件では対応できない」といった食い違いが発生しにくくなります。調達条件は、提案の評価や交渉をスムーズに進めるための土台となります。


3. 提案依頼書作成のポイントと注意点

この章では、提案依頼書を作成するときに意識したいポイントと、注意すべき点を解説します。試験対策としては、「なぜ提案依頼書が必要なのか」「どんな役割を持つ文書なのか」を押さえておくと理解しやすくなります。

情報の分かりやすさと抜け漏れ防止

提案依頼書は、ベンダーにとっての「仕様書のたたき台」のようなものです。説明が分かりにくかったり、前提条件が抜けていたりすると、提案の質にも影響します。そのため、業務の背景や目的、用語の意味などをできるだけ分かりやすく書くことが重要です。

また、導入システムの概要・提案依頼事項・調達条件といった基本項目に漏れがないかをチェックし、必要であればテンプレートを活用して構造を整えるのも有効です。

公平な比較評価につなげる工夫

提案依頼書は、複数ベンダーの提案を公平に比較するための基準にもなります。そのため、特定ベンダーだけに有利な条件や表現を避け、どのベンダーでも同じ前提で提案できるよう配慮することが求められます。

たとえば、「特定メーカーの製品名を指定する」のではなく、「このレベル以上の性能を持つサーバ」といった形で条件を記載するなど、できるだけ中立的な表現を心がけます。こうした工夫が、調達プロセス全体の透明性と信頼性の向上につながります。

社内関係者との合意形成

提案依頼書を対外的に配付する前に、社内の関係者間で内容を確認し、合意を取っておくことも重要です。経営層、業務部門、情報システム部門など、それぞれの立場から見て抜けている点や過大な要求がないかをチェックします。

社内での認識合わせをせずにRFPを出してしまうと、後から「そんな条件は聞いていない」「そこまでの機能は不要だ」といった意見の食い違いが生まれ、ベンダーとの調整にも影響します。提案依頼書は、社内外双方に対する「公式な依頼文書」であると意識して作成することが大切です。


まとめ

本記事では、提案依頼書(RFP)が、ベンダー企業に対して導入システムの概要や提案依頼事項、調達条件を明示し、提案書の提出を依頼するための文書であることを確認しました。情報システム調達の中で、RFPは「どのようなシステムを、どの条件で提案してほしいのか」を伝える重要な役割を担っています。

あわせて、RFPには、システム化の目的や対象業務を示す「導入システムの概要」、ベンダーに検討・記載してほしい内容を列挙する「提案依頼事項」、価格や納期、契約形態などを示す「調達条件」といった項目を盛り込むことを整理しました。これらを明確にすることで、複数ベンダーからの提案を同じ土俵で比較評価しやすくなります。

最後に、提案依頼書を作成する際には、情報を分かりやすく整理すること、公平な比較評価につながる表現を心がけること、社内関係者との合意形成を行うことが重要であると説明しました。提案依頼書は、試験用の単なる用語ではなく、実務でもシステム導入の成否を左右する鍵となる文書です。その役割と構成をイメージしながら理解しておくと、ITパスポート試験でも関連問題をスムーズに解けるようになるでしょう。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
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