【ITパスポート試験】No.063|情報提供依頼

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本記事では、情報システムを調達するときに行う「情報提供依頼」について解説します。提案依頼書(RFP)を作成する前の段階で、ベンダー企業に対してシステム化の目的や業務概要を示し、考えうる手段や技術動向に関する情報を提供してもらう取り組みが、なぜ重要なのかを整理していきます。


目次

1. 情報提供依頼(RFI)の役割を理解する

この章では、情報提供依頼とは何か、その位置づけや目的を整理します。提案依頼書を出す前に、なぜわざわざRFIというステップを挟むのかをイメージしながら読み進めてください。

情報提供依頼とは何か

情報提供依頼は、英語で RFI(Request For Information)と呼ばれます。これは、提案依頼書(RFP)を作成する前に、「どのような技術やサービスの選択肢があるのか」「市場ではどのような方式が主流なのか」といった情報を集めるために、ベンダーに対して情報提供を依頼することを指します。

このとき、自社側はシステム化の目的や業務の概要を明示します。ただし、まだ詳細な仕様までは決めません。あくまで「こういう業務を改善したいが、どのような手段が考えられるか」という段階で、ベンダーに広く意見や情報を求めるイメージです。

RFPに先立つ事前調査としての位置づけ

情報提供依頼は、RFPの作成に先立つ事前調査の段階に位置づけられます。いきなりRFPを作成しようとしても、自社だけでは「どの技術を前提にするべきか」「どこまでをシステム化の範囲とするべきか」が分からないことが少なくありません。

そこで、RFIによって複数のベンダーから情報を集めることで、技術的に現実的な選択肢や、業界全体のトレンドを把握できます。その結果を踏まえて、「どの方式を前提にRFPを作るか」「どの点を重点的に提案してほしいか」を整理しやすくなります。


2. 情報提供依頼書に盛り込む内容

この章では、情報提供依頼書を作成する際に、どのような内容を盛り込むのかを説明します。システム化の目的や業務概要を伝えつつ、ベンダーからどのような情報を引き出したいのかを明確にすることがポイントです。

システム化の目的と業務概要の提示

情報提供依頼では、まず自社が何をしたいのかを、簡潔に示す必要があります。例えば、「在庫管理業務の効率化」「顧客情報の一元管理」「テレワーク環境の整備」といったシステム化の目的を、背景事情と合わせて説明します。

あわせて、対象となる業務の概要も示します。取り扱うデータの種類や件数、関係部門の数、現在使用しているシステムの有無などを伝えることで、ベンダーは自社の状況に合った情報や選択肢を提示しやすくなります。

技術動向や手段に関する質問事項

次に、ベンダーに回答してほしい質問事項を整理します。たとえば、「このような業務には、どのようなシステム構成が一般的か」「クラウドとオンプレミスのどちらが適しているか」「標準的な導入期間や費用感はどの程度か」といった内容が考えられます。

また、最新の技術動向や、将来の拡張性に関する情報を尋ねることも有効です。こうした質問を通じて、ベンダーの観点から見た推奨アーキテクチャや、注意すべきポイントなどを知ることができます。

回答形式とスケジュールの明確化

情報提供依頼書では、回答の形式や提出期限も明記します。たとえば、「所定のテンプレートに沿って記入して提出してほしい」「回答はPDF形式でメール送付とする」といったルールを示しておくと、後で回答を比較しやすくなります。

提出期限や問い合わせ窓口をはっきりさせておくことで、ベンダー側も計画的に対応でき、結果として質の高い情報を得やすくなります。


3. 情報提供依頼の活用と注意点

この章では、集めた情報をどのように活用していくのか、また情報提供依頼を行う際の注意点について説明します。RFIの結果をうまく使えるかどうかで、その後の調達プロセスの質が変わってきます。

収集した情報の比較と整理

複数のベンダーから情報を受け取ったら、内容を比較・整理します。共通して推奨されている方式や構成があれば、それは現在の主流や安定した選択肢である可能性が高いと考えられます。一方、ベンダーごとに大きく異なる提案が出ている部分は、技術的な選択肢が分かれている領域だと理解できます。

このように、回答内容を俯瞰して眺めることで、「どの方式が自社の目的により合っているか」「どの点をRFPで詳しく比較したいか」といった判断材料を得られます。

RFP作成への反映

RFIの結果は、その後作成するRFPに反映されます。例えば、RFIを通じてクラウド利用が現実的でコストメリットも大きいと分かれば、RFPではクラウドを前提とした提案を求める、というように前提条件を明確にできます。

また、RFIで判明したリスクや注意点を、RFPの要求事項や評価基準に組み込むことで、より具体的で実行可能性の高い提案を引き出せるようになります。

情報提供依頼を行う際の注意点

情報提供依頼を行う際には、必要以上に詳細な仕様を決め打ちしないことが大切です。あまり細かく条件を固定してしまうと、ベンダーが自由にアイデアを出しにくくなり、本来得られたはずの有効な選択肢を見逃してしまう可能性があります。

一方で、目的や業務概要が曖昧すぎると、ベンダー側も何を前提に回答すればよいか分からず、内容がぼやけた情報しか集まらないおそれがあります。目的と前提条件は明確にしつつ、具体的な技術や方式については、幅広い情報を求める姿勢が重要です。


まとめ

本記事では、情報提供依頼(RFI)が、提案依頼書(RFP)を作成する前の段階で、ベンダーから手段や技術動向に関する情報を集めるための仕組みであることを確認しました。システム化の目的や業務概要を明示したうえで情報提供を依頼することで、自社だけでは把握しきれない市場の選択肢や最新技術の情報を効率よく収集できます。

また、情報提供依頼書には、目的・業務概要・質問事項・回答形式・スケジュールなどを整理して記載し、複数ベンダーからの回答を比較しやすくすることが大切だと説明しました。集めた情報を分析することで、どの方式を前提にRFPを作成するか、どの観点を重視して評価するかといった方針を固めることができます。

最終的に、RFIは調達プロセスの質を高めるための重要なステップです。情報提供依頼を上手に活用することで、RFP作成やベンダー選定をより現実的で納得感のあるものにでき、結果として自社にとって最適な情報システムの導入につながっていきます。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

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