【ITパスポート試験】No.060|システム化計画

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本記事では、「システム化計画」とは何かを整理しながら、スケジュールや体制、リスク分析、費用対効果、適用範囲、企画プロセスといったキーワードを解説します。対象業務を分析し、情報システム戦略に基づいてシステム化構想や基本方針を定め、開発順序や概算コスト・効果を明らかにしていく一連の流れをイメージできるようになることが目標です。


目次

1. システム化計画の全体像

この章では、システム化計画の基本的な考え方と、企画プロセスの全体像を整理します。なぜ最初に計画をしっかり立てる必要があるのかを理解しておくと、その後に出てくるスケジュールや体制といった要素の意味もつかみやすくなります。

システム化計画とは

システム化計画とは、対象となる業務を分析し、情報システム戦略に基づいて「どのような情報システムを、どの範囲で、どの順番で導入していくか」を整理するプロセスです。ここでは、システム化の構想や基本方針を立案するとともに、各システムの開発順序や概算コスト、期待される効果をまとめ、将来のシステム全体像を明らかにしていきます。

単に「新しいシステムが欲しい」といった思いつきではなく、事業戦略とのつながりや業務改善の方向性を踏まえて計画することが、システム化計画の大きなポイントです。

システム化構想と基本方針

システム化構想では、業務全体を見渡しながら、「どのような情報の流れにしたいか」「どの業務をどのシステムで支えるか」といった大まかな将来像を描きます。そのうえで、基本方針として、優先度の高い分野や標準化の考え方、外部サービスの活用方針などを決めていきます。

この構想と基本方針がはっきりしていると、後から個別システムを検討する際にもぶれにくくなり、全体として整合性の取れた情報システムを構築しやすくなります。

適用範囲を定める意味

適用範囲とは、システム化の対象とする業務・部門・期間などの範囲を指します。ここを曖昧にしたまま計画を進めると、後から「この部署も対象にしたい」「この作業はやはり対象外にしたい」といった変更が頻発し、スケジュールやコストの見通しが大きく崩れてしまいます。

そのためシステム化計画では、業務フローや組織構造を踏まえて「今回の計画でどこまでをカバーするのか」を明確にし、関係者で共有しておくことが重要です。適用範囲がはっきりしていれば、費用対効果の見積もりやリスク分析もより現実的になります。

企画プロセスの全体像

企画プロセスとは、システム化計画を立てるまでの一連の進め方のことで、一般的には、現状調査・業務分析、課題整理、システム化構想策定、基本方針決定、投資計画の検討といったステップで進みます。

各ステップで、関係部門からヒアリングを行い、データを集め、検討内容を文書化していきます。このプロセスを丁寧に踏むことで、後の設計・開発フェーズに入ってから大きな手戻りが発生するリスクを抑えられます。


2. 計画を実現するスケジュールと体制

この章では、システム化計画を実行可能なものにするための、スケジュールと体制づくりについて説明します。どれだけ良い構想でも、実現の計画が甘いとプロジェクトはうまく進みません。

スケジュールの立て方

システム化計画では、各システムの開発順序と期間を見通したスケジュールを作成します。ここでは、業務への影響度や緊急度、他システムとの依存関係などを考慮し、「どのシステムを先に着手すべきか」を整理します。

スケジュールには、要件定義・設計・開発・テスト・移行・教育などの主要な工程を含め、マイルストーンを設定しておくことが重要です。現実的なスケジュールを立てることで、関係者の調整やリソースの確保もしやすくなります。

推進体制の整備

体制とは、システム化計画やその後の開発を推進するための組織構成や役割分担のことです。プロジェクトマネージャ、業務側の担当者、情報システム部門、外部ベンダなど、それぞれがどのような責任を持つのかを明確にします。

適切な体制が整っていないと、意思決定が遅れたり、誰が何を担当するのか分からなくなったりして、計画通りに進まなくなります。特に、経営層の支援を得るためのステアリングコミッティのような場を設けることも、重要な体制の一部といえます。


3. リスクと費用対効果を踏まえた判断

この章では、システム化計画を現実的で安全なものにするために欠かせない、リスク分析と費用対効果の考え方について解説します。計画段階でこれらをしっかり検討しておくことが、投資判断の土台になります。

リスク分析による事前対策

リスク分析では、システム化計画を進めるうえで想定されるリスクを洗い出し、その発生確率や影響度を評価します。たとえば、要員不足によるスケジュール遅延、データ移行時のトラブル、予算超過、業務への一時的な混乱などが典型的なリスクです。

これらのリスクを事前に把握しておけば、代替案の準備や、スケジュールに余裕を持たせるといった対策を検討できます。システム化計画にリスク分析の結果を反映しておくことで、計画の信頼性が高まり、関係者の納得も得やすくなります。

費用対効果を踏まえた投資判断

費用対効果では、システム化にかかる概算コストと、それによって得られる効果を比較します。コストには、システム開発費だけでなく、導入時の教育費や運用開始後の維持費も含めて考えます。効果としては、作業時間の短縮やミス削減、在庫圧縮、売上増加などが挙げられます。

すべてのシステムを一度に整備するのではなく、費用対効果の高い部分から優先的に着手することが望まれます。システム化計画では、この観点から各システムの開発順序を決めることで、限られた予算の中でも最大の効果を得られるように工夫します。


まとめ

本記事では、システム化計画が「対象業務を分析し、情報システム戦略に基づいてシステム化構想や基本方針を定め、開発順序・概算コスト・効果を整理して、システム化の全体像を明らかにするプロセス」であることを確認しました。適用範囲や企画プロセスをきちんと整理することで、後の設計・開発フェーズでの手戻りを減らすことができます。

あわせて、スケジュールと体制を整えることが、計画を「絵に描いた餅」にせず、実行可能なものにするうえで重要である点も見てきました。現実的な工程表と明確な役割分担があってこそ、関係者の協力を得ながらプロジェクトを前に進めることができます。

さらに、リスク分析と費用対効果の検討を通じて、システム化計画を安全かつ合理的な投資判断へと結びつけることが大切です。これらの要素を総合的に踏まえて計画を立てることで、情報システムは組織の戦略を支える強力な基盤となります。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
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