【ITパスポート試験】No.048|IoTを利用したシステム

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センサーやネットワークを通じて、モノ同士やモノと人がつながる「IoT」は、私たちの生活と産業のあらゆる場面に浸透しつつあります。ドローンやスマートグラス、コネクテッドカー、スマートシティなど、聞いたことはあっても仕組みや役割があいまいな言葉も多いかもしれません。この記事では、IoTを利用した代表的なシステムと、そこで使われる機器・技術、さらに産業やエネルギー分野での活用例を整理して解説します。


目次

1. 身の回りのスマートデバイスとIoT機器

この章では、私たちの生活に身近になってきたIoT機器を取り上げます。いずれもネットワークにつながることで、単なる「電子機器」から「サービスの一部」へと役割が変わっている点がポイントです。

ドローン

ドローンは、リモコンや自律制御で飛行する小型無人航空機です。カメラや各種センサーを搭載し、空撮・点検・配送などに利用されます。

IoTと組み合わせることで、取得した画像やセンサーデータをクラウドに送信し、リアルタイムで状況を確認・解析できるようになります。産業用ドローンでは、農地の状況把握やインフラ点検などへの活用が進んでいます。

ARグラス

ARグラスは、現実の視界にデジタル情報を重ねて表示するメガネ型デバイスです。作業手順やナビゲーション、翻訳情報などを視界上に表示できるため、手をふさがずに情報を確認できます。

IoT機器から送られてくるデータと連携させると、現場のセンサー情報や設備の状態をその場で表示するといった使い方も可能です。

MRグラス

MRグラスの「MR」はMixed Reality(複合現実)を意味し、現実空間と仮想オブジェクトを高度に組み合わせて表示するデバイスです。仮想物体が現実世界の机の上に置かれているように見えたり、現実の物体に隠れたりします。

製造業では、設備の3Dモデルを重ねて保守作業を支援するなど、IoTで取得した設備情報と組み合わせた利用が期待されています。

VRゴーグル

VRゴーグルは、Virtual Reality(仮想現実)を体験するためのヘッドマウントディスプレイです。視界を完全に仮想空間に切り替えることで、没入感の高い体験ができます。

IoTと直接つながらない場合もありますが、工場やプラントのデジタルツイン(仮想再現)と組み合わせて、遠隔からの訓練やシミュレーションに活用される例があります。

スマートグラス

スマートグラスは、メガネ型デバイスの総称で、簡易表示や撮影機能、音声アシスタントなどを備えたものです。ARグラスやMRグラスほど高度でなくても、通知の確認やハンズフリー通話など、身近な用途で活用されます。

IoT機器からのアラートをスマートグラスに表示すれば、現場作業者に素早く情報を伝達できるようになります。

スマートスピーカー

スマートスピーカーは、音声で操作できるスピーカー型デバイスです。クラウド上のAIと連携し、音楽再生や天気予報、家電の操作などを行います。

家庭内のIoT機器のハブ(中心)として機能し、照明・エアコン・家電などを音声でまとめて制御できる点が特徴です。

ワイヤレス給電

ワイヤレス給電は、電源ケーブルを接続せずに電力を供給する技術です。スマートフォンのワイヤレス充電パッドなどが身近な例です。

IoT機器は小型で電池駆動のものが多く、電源確保が課題になります。ワイヤレス給電を組み合わせれば、センサーやデバイスのメンテナンス頻度を減らし、長期間連続で動作させやすくなります。


2. クルマと移動サービスを支えるIoT

この章では、IoTが大きな変化をもたらしている自動車・移動サービス分野の用語をまとめます。コネクテッドカーや自動運転は、単に車両の性能だけでなく、ネットワークやサービスとの連携がカギになります。

コネクテッドカー

コネクテッドカーは、通信機能を備え、インターネットや他の車・インフラと常時接続されている自動車です。

車両の位置情報や走行データ、故障情報などをクラウドに送信し、ナビゲーションの高度化や故障予知、交通情報サービスなどに活用されます。IoTの代表的な応用分野の一つです。

自動運転

自動運転は、車両が周囲の状況をセンサーで認識し、コンピュータが自動で運転操作を行う技術です。カメラ・レーダー・LiDARなどのセンサーから得た情報をもとに、アクセル・ブレーキ・ハンドルを制御します。

IoTとの連携により、他車や信号機、クラウドからの情報も活用して、より安全で効率的な運転を実現することが目指されています。

自動運転レベル

自動運転レベルは、自動運転の機能がどこまで人間の運転を代替するかを段階的に示した指標です。一般的にはレベル0〜5に区分され、レベルが上がるほど人の関与が減り、完全な自動運転に近づきます。

試験対策としては、「レベルが高いほど自動化の度合いが高い」というイメージを押さえておくとよいでしょう。

CASE

CASEは、Connected(つながる)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(共有・サービス化)、Electric(電動化)の頭文字をとった自動車業界のキーワードです。

コネクテッドカーと自動運転、カーシェアリングやサブスクリプション、EV(電気自動車)などの潮流をまとめて表しており、IoTは「Connected」「Autonomous」を支える中核技術となっています。

MaaS(Mobility as a Service)

MaaSは「Mobility as a Service」の略で、移動手段を単なるモノの提供ではなく、サービスとして統合的に提供する考え方です。

バス・電車・タクシー・レンタカー・シェアサイクルなど、さまざまな交通手段の情報や決済を一つのアプリでまとめて扱えるようにし、利用者の移動体験を最適化します。IoTから集まる位置情報・運行情報が、MaaSの基盤となります。


3. ロボットと産業分野でのIoT活用

この章では、産業用ロボットやドローンを中心に、各種産業でのIoT活用例を見ていきます。センサーとネットワークにより、現場の「目」と「手」を高度に拡張している点が特徴です。

ロボット(産業用・医療用・介護用・災害対応用ほか)

ロボットは、自動で作業を行う機械で、産業用・医療用・介護用・災害対応用などさまざまな用途があります。

産業用ロボットは、組立や溶接、塗装などの繰り返し作業を高速かつ正確にこなします。医療用ロボットは、外科手術を支援し、精密な操作を可能にします。介護ロボットは、移乗支援や見守りなどを行い、介護現場の負担を軽減します。災害対応ロボットは、人が近づけない危険な場所での調査や作業に利用されます。

IoTと組み合わせることで、ロボットの動作状況を遠隔監視したり、クラウド上のAIが動作を最適化したりすることが可能になります。

産業用ドローンやロボットの活用方法

産業分野では、ドローンやロボットが具体的にどのように使われているかを押さえておくことも重要です。

ドローンは、広い農地の生育状況を空から撮影し、肥料や農薬の散布量を最適化するのに役立ちます。また、橋梁や送電線、建物の高所など、人が近づきにくい場所の点検にも利用されます。

ロボットは、工場内での搬送・組立・検査だけでなく、倉庫でのピッキングや医療施設での搬送、災害現場での捜索など、さまざまな場面で活躍しています。これらの機器から取得したデータをIoTで集約することで、設備の稼働状況の可視化や遠隔操作が可能になります。

各種産業(金属・農業・医療・物流など)における活用方法

IoTは、金属加工・農業・医療・物流など、多くの産業で活用されています。

金属加工では、工作機械にセンサーを取り付けて稼働状況を監視し、故障を予兆してメンテナンスを計画的に行う「予知保全」が行われます。

農業では、土壌の水分や気温、日射量などをセンサーで測定し、灌漑や施肥を自動制御するスマート農業が広がっています。

医療の現場では、患者のバイタルデータをネットワークで共有し、遠隔診療や見守りに活用します。

物流では、倉庫内の在庫位置の把握や自動運搬ロボットの制御などにIoTが使われ、効率的な配送や在庫管理が実現されています。


4. スマート社会とエネルギー管理のIoT

この章では、都市や工場、農業、家庭など、社会全体を「スマート化」するためのIoTシステムを取り上げます。また、エネルギーの収集・利用やマシンビジョンなど、支える技術についても解説します。

IoTがもたらす効果(監視・制御・最適化・自律化)

IoTがもたらす主な効果として、「監視」「制御」「最適化」「自律化」が挙げられます。

センサーで状態を「監視」し、その情報をもとに機器を「制御」します。さらに、膨大なデータを分析することで、エネルギー使用量の削減や生産効率の向上といった「最適化」が可能になります。

最終的には、AIと組み合わせることで、人の介入を最小限にした「自律化」が進みます。例えば、設備が自分で異常を検知して停止し、保守担当者に通知するといった仕組みです。

クラウドサービス

クラウドサービスは、インターネットを通じてサーバやストレージ、アプリケーションなどを利用できるサービスです。

IoTでは、多数の機器から送られてくるデータをクラウドに集約し、保存・分析・可視化を行います。クラウド上のAIを利用して異常検知や需要予測を行うなど、IoTシステムの中核として機能します。

スマートシティ

スマートシティは、都市全体をIoTやデータ活用によって賢く運営しようとする取り組みです。

交通・防災・エネルギー・環境・行政サービスなど多方面の情報を集約し、渋滞緩和や犯罪防止、災害時の迅速な避難支援、エネルギーの効率利用などを目指します。市民の生活をより安全で快適にすることが目的です。

スマートファクトリー

スマートファクトリーは、工場内の機械や設備、製品、作業員の動きをIoTでつなぎ、データに基づいて生産を最適化する工場のことです。

設備の稼働・故障情報の監視や、ラインの自動調整、品質検査の自動化などを通じて、生産性向上とコスト削減を実現します。マシンビジョンやロボットとも密接に連携します。

スマート農業

スマート農業は、IoTやロボット、ドローンなどを利用して農作業を効率化する取り組みです。

圃場のセンサーが土壌の状態や気象データを取得し、その情報をもとに灌漑や施肥、収穫のタイミングを判断します。人手不足への対応や収量・品質の向上に役立ちます。

マシンビジョン

マシンビジョンは、カメラと画像処理技術を用いて、機械が目の代わりとなる技術です。

製造ラインでの外観検査や位置決め、ロボットのピッキングなどに利用され、人の目では難しい高速・高精度な検査を実現します。取得した画像データはIoTを通じて収集・分析され、不良品の原因分析などにも役立ちます。

エネルギーの収集方法や利用方法

IoTは、エネルギーの収集・利用の高度化にも貢献します。

太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー設備にセンサーを取り付けて発電状況をリアルタイムで監視し、天候に応じて出力を制御することができます。また、ビルや工場の電力使用量を細かく計測し、ピークカットや省エネのための制御を行うことも一般的です。

一部のIoT機器では、太陽光や振動、温度差などから微小な電力を得る「エネルギーハーベスティング」が用いられ、電池交換の手間を減らしています。

HEMS(Home Energy Management System)

HEMSは「Home Energy Management System」の略で、家庭内のエネルギーを管理するシステムです。

電力メーターや家電、太陽光発電・蓄電池などをネットワークにつなぎ、家庭内の電力使用状況を見える化します。電気料金が安い時間帯に家電を動かしたり、太陽光発電の余剰電力を有効活用したりすることで、省エネと家計の節約につながります。スマートシティやスマートグリッドの重要な構成要素です。


まとめ

IoTを利用したシステムは、ドローンやスマートグラス、スマートスピーカーなどの身近な機器から、コネクテッドカーや自動運転、CASE・MaaSといったモビリティ分野、さらにはロボットやスマートファクトリー、スマート農業、スマートシティまで、多岐にわたっています。

これらのシステムは、センサーで状態を「監視」し、クラウドサービスと連携して「制御」「最適化」「自律化」を進めている点で共通しています。マシンビジョンやワイヤレス給電、HEMS、エネルギーマネジメントなどの技術が、その裏側を支えています。

IoTの理解では、個々の用語をバラバラに覚えるのではなく、

  • 生活を便利にするスマートデバイス
  • クルマ・移動サービスを変える技術
  • 産業現場で活躍するドローンやロボット
  • 都市・工場・農業・家庭を賢くするスマート社会とエネルギー管理

といったグループに分けて整理すると、全体像がつかみやすくなります。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

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