【ITパスポート試験】No.046|電子商取引

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インターネットやスマートフォンの普及により、私たちは場所や時間を選ばずに商品やサービスを購入できるようになりました。こうしたオンライン上で行われる取引が「電子商取引(EC)」です。電子商取引には、店舗を持たない販売や、キャッシュレス決済、フィンテック、暗号資産など、多くの新しい仕組みが関わっています。この記事では、電子商取引の基本的な概念から、代表的なビジネスモデル、分類の考え方、具体的な利用例までを体系的に整理していきます。


目次

1. 電子商取引の基本と新しいビジネスモデル

この章では、電子商取引とは何かという基本的な概念と、それによって生まれた特徴的なビジネスモデルについて解説します。店舗を持たなくても商売ができるようになったことで、どのような変化が起きたのかを押さえておきましょう。

電子商取引の基本的な概念

電子商取引とは、インターネットなどのネットワークを利用して商品やサービスを売買する仕組みのことです。ECサイトやオンラインモールでのショッピングはその代表例です。

従来のように店舗や店員を必要とせず、ウェブサイトやアプリを通じて商品を紹介し、注文から決済、発送の手続きまでをオンラインで完結できる点が特徴です。そのため、店舗家賃や人件費といったコストを抑えながら事業を始められる可能性が高く、少ない投資でビジネスに参入できる点が大きな魅力といえます。

ロングテール

ロングテールとは、少数の「よく売れる商品」だけでなく、個々の売れ行きは少ないものの種類が非常に多い「ニッチな商品」を多数揃えることで、全体として大きな売上を確保するビジネスモデルです。

実店舗では棚に限りがあるため、売れ筋商品を中心に置かざるを得ません。しかし、電子商取引では在庫管理や掲載スペースの制約が小さいため、マニア向けの商品やあまり知られていない本・音楽なども幅広く扱えます。このように、インターネットを活用することで「しっぽ(テール)の長い」商品群がビジネスとして成り立つようになりました。

フリーミアム

フリーミアムは、「無料(Free)」と「プレミアム(Premium)」を組み合わせた言葉で、基本機能は無料で提供し、高度な機能や追加サービスを有料で提供するビジネスモデルです。

例えば、オンラインストレージサービスで、一定容量までは無料、より大きな容量や便利な機能を使う場合は有料プランに加入する形式が典型例です。大量のユーザーを無料で獲得し、その一部が有料サービスに移行することで収益を上げます。電子商取引の世界では、アプリやクラウドサービスなどで広く活用されています。

無店舗販売

無店舗販売とは、文字通り物理的な店舗を持たずに商品を販売する形態を指します。カタログ通販やテレビ通販も無店舗販売の一種ですが、現在はオンラインショップが中心的な役割を果たしています。

電子商取引による無店舗販売では、商品の情報をウェブページで詳しく説明し、写真や動画、レビューなどを活用して購入の判断材料を提供します。店舗が不要なため出店コストが低く、小規模事業者や個人でも商売を始めやすいという特徴があります。


2. 電子商取引の形態とオンライン上の売り場

この章では、電子商取引の分類・種類の考え方と、実際の「売り場」となるサービスについて説明します。ECサイトに加え、オンラインモールやオークションなど、さまざまな形で電子商取引が行われていることを確認していきます。

EC(Electronic Commerce)

ECは、Electronic Commerceの略で、日本語では「電子商取引」と呼ばれます。インターネットを通じて商品やサービスを売買する、広い意味での仕組み全体を指す用語です。

企業と消費者の取引(BtoC)だけでなく、企業同士の取引(BtoB)、消費者同士の取引(CtoC)など、さまざまな形態が含まれます。ECサイト単体で営業する場合もあれば、後述するオンラインモールの一店舗として出店する場合もあります。

O2O(Online to Offline)

O2Oは「Online to Offline」の略で、オンライン(ネット)での活動が、オフライン(実店舗)での購買につながる仕組みを指します。

例えば、スマートフォンアプリでクーポンを配布し、実店舗でそのクーポンを提示すると割引を受けられる仕組みは典型的なO2Oです。オンラインで集客し、最終的な購買行動はリアル店舗で行うことで、オンラインとオフラインの双方の強みを活かします。

OMO(Online Merges with Offline)

OMOは「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインを単に連携させるだけでなく、両者を統合して一体の体験として提供する考え方です。

顧客の購買履歴や行動データをオンライン・オフラインをまたいで統合し、どこで買っても同じようにポイントが貯まったり、オンラインで見た商品を実店舗でスムーズに受け取れたりする仕組みが例として挙げられます。電子商取引の発展により、顧客体験全体をデジタルで設計する動きが強まっています。

eマーケットプレイス

eマーケットプレイスは、多数の売り手と買い手が集まり、取引を行うためのオンライン上の「市場」のことです。複数の企業や個人が商品を登録し、買い手はその中から条件に合う商品を選びます。

企業間取引向けのeマーケットプレイスでは、資材や部品の調達を効率化でき、価格比較や見積もりの取得も容易になります。電子商取引の「場」を提供することで、取引の透明性と効率を高める役割を担っています。

オンラインモール

オンラインモールは、複数のショップが集まって出店している大型のECサイトです。ショッピングモールのインターネット版と考えるとイメージしやすいでしょう。

出店者はモールが用意したシステムや決済機能を利用できるため、個別に仕組みを構築する手間を省けます。一方、利用者はひとつのモールで多くのショップの商品を比較・購入できるため、利便性が高い形態です。

電子オークション

電子オークションは、インターネット上で行われるオークションのことです。出品者が最低価格や終了日時を設定し、買い手が入札して、最も高い金額を提示した人が商品を落札します。

個人同士の取引が活発で、中古品やコレクター向け商品など、価格が需要によって決まりやすい商品に向いています。電子商取引におけるCtoC型の代表的な形態といえます。


3. 電子商取引を支える情報連携と決済インフラ

この章では、電子商取引を裏側から支える情報連携の仕組みや決済手段について解説します。商品が注文されてから、代金が支払われ、企業間でデータがやり取りされる仕組みを理解しておくことが大切です。

EDI(Electronic Data Interchange)

EDIは「Electronic Data Interchange」の略で、企業同士が受発注データや請求データなどを、標準化された形式で電子的に交換する仕組みです。

従来は紙の伝票やFAXでやり取りしていた内容を、EDIによって自動で送受信することで、入力ミスの防止や処理時間の短縮が図れます。大量の取引を行う企業間取引において、電子商取引を効率よく運営するための重要な基盤となっています。

EFT(Electronic Fund Transfer)

EFTは「Electronic Fund Transfer」の略で、電子的な手段を用いて資金を移動させる仕組みの総称です。銀行間の振込処理や、クレジットカードの決済処理などが含まれます。

電子商取引では、オンラインでの支払い情報がEFTの仕組みによって金融機関に伝えられ、実際の口座振替や入金処理が行われます。このように、商品やサービスの取引だけでなく、資金の移動も電子化されている点が重要です。

キャッシュレス決済

キャッシュレス決済とは、現金を使わずに支払いを行う決済方法の総称です。代表的なものとして、スマートフォンのキャリア決済、非接触IC決済、QRコード決済などがあります。

キャリア決済では、携帯電話会社のアカウントを通じて代金が請求され、利用者は毎月の携帯料金と一緒に支払います。非接触IC決済は、ICカードやスマホを端末にかざすだけで支払いが完了する方法で、交通機関やコンビニなどで広く使われています。QRコード決済は、店舗が表示したQRコードをアプリで読み取る、または利用者側のコードを店舗が読み取ることで支払う方式です。

これらのキャッシュレス決済は、オンラインだけでなく実店舗でも利用でき、電子商取引とリアルな購買体験をつなぐ重要な役割を果たしています。

ICカード・RFID応用システム

ICカードは、ICチップを内蔵したカードで、電子マネーや社員証、交通系カードなどに用いられています。RFIDは、電波を利用してタグの情報を読み書きする仕組みで、商品や荷物の管理に使われます。

電子商取引の分野では、ICカードによる決済のほか、RFIDを使った在庫管理や物流管理が重要です。倉庫にある商品にRFIDタグを付けることで、入出庫を自動で記録でき、オンラインショップの在庫表示を正確に保つことができます。


4. 電子商取引と金融サービスの進化

この章では、電子商取引の発展とともに進化してきた金融サービスについて取り上げます。インターネットバンキングや暗号資産、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)など、新しい仕組みがどのように取引を変えつつあるのかを整理します。

フィンテック(FinTech)

フィンテックは、「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉で、IT技術を活用して新しい金融サービスを提供する取り組みの総称です。

スマホアプリでの少額決済、個人向け投資サービス、家計簿アプリ、自動で資産運用を行うロボアドバイザーなどがフィンテックの代表例です。電子商取引と組み合わせることで、より便利で低コストな決済や資金調達が可能になっています。

インターネットバンキング

インターネットバンキングは、パソコンやスマートフォンから、銀行の残高照会や振込、定期預金の契約などを行えるサービスです。

電子商取引で商品を購入した後、銀行振込を利用する際に、ATMに行かずにオンラインで支払いを完了できるため、時間や場所の制約が大幅に減ります。個人だけでなく企業にとっても、資金管理の効率化につながる重要なサービスです。

インターネットトレーディング

インターネットトレーディングは、株式や投資信託、為替などの金融商品をインターネット経由で売買する仕組みです。証券会社のオンラインサービスやアプリを利用して取引を行います。

手数料が比較的低く、リアルタイムで価格情報を確認できるため、多くの個人投資家が利用しています。電子商取引の一形態として、商品ではなく「金融商品」をオンラインで売買していると考えることができます。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、インターネット上のプラットフォームを通じて、不特定多数の人から少額ずつ資金を集める仕組みです。新製品の開発や社会貢献活動など、さまざまなプロジェクトの資金調達に利用されています。

出資者は、完成した製品やサービスをリターンとして受け取ったり、利息や配当を受け取ったりする場合があります。電子商取引と結び付けることで、商品の事前予約販売のような形態としても活用されています。

電子マネー

電子マネーは、あらかじめチャージした金額の範囲で支払いに利用できる電子的なお金です。ICカード型やスマホアプリ型のものがあり、コンビニや自動販売機、オンライン決済などさまざまな場面で使われています。

支払いがスピーディで小銭が不要なため、少額決済との相性が良く、電子商取引の決済手段としても広く利用されています。

暗号資産

暗号資産は、ブロックチェーンなどの暗号技術を用いて発行・管理されるデジタルな資産です。代表的なものにビットコインなどがあります。

一部のオンラインショップでは、暗号資産による支払いに対応しているところもあります。ただし、価格変動が大きく、法制度も発展途上であるため、利用には注意が必要です。

中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)

CBDCは、中央銀行が発行するデジタル形態の通貨です。現金(紙幣・硬貨)と同じ価値を持つ法定通貨を、デジタルの形で提供しようとする取り組みを指します。

CBDCが普及すれば、電子商取引の決済において、中央銀行が保証するデジタル通貨を直接利用できる可能性があり、決済の安全性や効率性が高まると期待されています。

NFT(Non-Fungible Token)

NFTは「Non-Fungible Token」の略で、代替できない唯一性を持つトークン(デジタル証票)のことです。デジタルアートやゲーム内アイテムなどに対して、「これは本物であり、誰の所有物か」をブロックチェーン上で証明するために使われます。

電子商取引の観点では、デジタルコンテンツそのものや、その所有権を取引する新しい市場を生み出している点が注目されています。


5. 電子商取引を支えるサービスと新しい働き方

この章では、電子商取引の利用場面や手法として挙げられる代表的なサービスを紹介します。商品やお金のやり取りだけでなく、仕事の受発注や取引の安全性を高める仕組みも重要な要素です。

クラウドソーシング

クラウドソーシングは、インターネット上のプラットフォームを通じて、企業や個人が仕事を依頼し、フリーランスなどの受注者がその仕事を請け負う仕組みです。

ライティング、デザイン、プログラミングなどの業務がオンライン上でマッチングされ、報酬の支払いも電子的に行われます。仕事そのものが電子商取引の対象となる例として押さえておくと理解しやすいでしょう。

エスクローサービス

エスクローサービスは、売り手と買い手の間に第三者(エスクロー業者)が入り、代金と商品の受け渡しを仲介する仕組みです。

買い手はまずエスクロー業者に代金を預け、商品が無事に受け取れたことを確認した後、業者から売り手へ代金が支払われます。これにより、商品が届かない、代金が支払われないといったトラブルのリスクを減らすことができます。電子オークションやCtoC取引などでよく利用されます。


まとめ

電子商取引は、インターネット上で商品やサービスを売買する仕組みであり、店舗コストを抑えて参入しやすいという特徴があります。その中では、ロングテールやフリーミアム、無店舗販売といった新しいビジネスモデルが生まれ、オンラインモールや電子オークションなど多様な「売り場」の形が発展してきました。


裏側では、EDIによる企業間データ交換やEFT、キャッシュレス決済、ICカード・RFID応用システムが、取引と決済を支えるインフラとして機能しています。さらに、フィンテックやインターネットバンキング、インターネットトレーディング、クラウドファンディングなど、金融サービスの領域も大きく変化し、暗号資産やCBDC、NFTといった新しい概念も登場しています。


加えて、クラウドソーシングやエスクローサービスなど、働き方や取引の安全性を支えるサービスも電子商取引の重要な要素です。これらの用語は一見バラバラに見えますが、すべて「ネットワークを通じて価値やお金、仕事をやり取りする」という共通点を持っています。学習するときは、取引の「場」「決済」「金融」「支援サービス」といったグループに分けて整理すると理解しやすくなります。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

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