【ITパスポート試験】No.041|行政分野におけるシステム

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。

行政分野では、住民票の発行や税金の支払い、防災情報の伝達など、多くの業務を情報システムで処理しています。この記事では、その代表的なシステムの特徴と、関連するキーワードを整理して解説します。デジタルガバメントやガバメントクラウド、マイナンバー、Jアラートなど、ITパスポート試験でも頻出の用語をまとめて理解しておきましょう。


目次

1. 行政分野のデジタル化の全体像

この章では、行政サービス全体をデジタル化していく大きな方向性について解説します。紙の申請書や窓口での手続を、オンラインで完結できるようにする流れを理解すると、個々の用語の役割も見えやすくなります。

デジタルガバメント

デジタルガバメントとは、行政サービスをデジタル技術で高度化し、住民や企業が「早く・便利に・わかりやすく」利用できるようにする取り組み全体を指します。オンライン申請の普及、行政機関同士のデータ連携、AI・クラウドの活用などが含まれます。単に業務をコンピュータ化するだけでなく、手続の簡素化やワンスオンリー(同じ情報を何度も提出させない)といった、行政のあり方そのものを見直す点がポイントです。

電子自治体

電子自治体は、都道府県や市区町村などの地方公共団体が、住民サービスや内部事務を電子化した姿を表す言葉です。住民票の写しのオンライン交付、図書館の予約システム、ごみ収集情報の配信、職員の庶務・人事・会計システムなど、多様な仕組みが含まれます。デジタルガバメントという国全体の方向性の中で、地方自治体が実際に実現していく具体的な形が電子自治体と考えると理解しやすいです。


2. 行政サービスを支える基盤システム

この章では、行政分野のシステムを下支えする「基盤」の部分を解説します。クラウドや基幹データベース、住民情報ネットワーク、マイナンバー制度などは、多くの行政サービスの土台となっています。

ガバメントクラウド

ガバメントクラウドは、国や自治体が利用するために整備されたクラウド環境です。共通のクラウド基盤を整えることで、各自治体がそれぞれサーバを保有・運用する負担を減らし、セキュリティや災害対策の水準を一定以上に保ちやすくなります。システムの標準化や、スケールメリットによるコスト削減も重要な狙いです。

ベースレジストリ

ベースレジストリは、行政で共通的に利用される「基礎的なデータベース」を意味します。例えば、法人番号を管理するデータベース、住所マスタ、地図情報などが該当します。ベースレジストリを整備し、行政機関が共通で利用することで、データの重複や入力ミスを減らし、行政サービスの正確性と効率を高めることができます。

住民基本台帳ネットワークシステム

住民基本台帳ネットワークシステムは、全国の市区町村の住民基本台帳(住民票の情報)をネットワークで連携する仕組みです。これにより、転入・転出の際の手続がスムーズになったり、住民票コードを利用した情報照会が可能になったりします。行政機関側では、住民情報を効率的に参照できる一方、個人情報であるため、厳重なセキュリティとアクセス管理が求められます。

マイナンバー

マイナンバーは、住民一人ひとりに割り当てられる12桁の個人番号です。税・社会保障・災害対策の分野で、個人情報を正確に突き合わせるために利用されます。異なる行政機関が持つ情報を、マイナンバーをキーとして連携させることで、事務の効率化や給付金の漏れ・重複を防ぐことが目的です。ただし、利用範囲は法律で厳密に定められており、民間での利用も制限されています。

マイナンバーカード

マイナンバーカードは、マイナンバーに対応するICカードで、顔写真付きの身分証明書としても利用できます。ICチップには電子証明書が格納されており、オンラインでの本人確認や電子署名に利用されます。コンビニでの各種証明書発行、健康保険証としての利用など、日常生活のさまざまな場面で活用が進められています。


3. 電子申請とオンライン手続のしくみ

この章では、行政手続をオンラインで行うためのシステム群について解説します。国全体のポータルサイトや、申請・届出の具体的な仕組み、さらに住民向けの情報提供サイトなどを整理して理解します。

e-Gov

e-Gov(イーガブ)は、国の行政手続や法律・パブリックコメントなどを集約した、政府の総合的なオンライン窓口です。法令検索、各種手続の案内、オンライン申請へのリンクなどが提供され、行政情報へのアクセスを一元化する役割を持っています。国の機関に対する申請・届出の入口として重要なシステムです。

電子申請

電子申請は、従来は紙で提出していた各種申請・届出を、インターネットを通じて行う仕組みです。たとえば、税金の申告、各種許認可の申請、補助金の申請などをオンラインで行えるようにします。利用者にとっては、窓口に出向く手間や時間が削減され、行政側もデータ入力の手間が減るため効率化につながります。本人確認には、マイナンバーカードの電子証明書などが利用されます。

電子調達

電子調達は、行政機関が物品やサービスを購入する際のプロセスを電子化した仕組みです。入札公告、仕様書の提供、質問への回答、契約の締結や納品確認など、調達に関する一連の流れをオンラインで管理します。これにより、調達手続の透明性が高まり、不正防止やコスト削減に役立ちます。

電子入札

電子入札は、入札手続のうち、入札参加の申請や入札価格の提出をオンラインで行う仕組みです。入札者は、専用のシステムを通じて入札情報を送信し、行政側は入札情報を安全に開封・比較します。通信の暗号化や電子署名を利用することで、内容の改ざんやなりすましを防止し、公正な入札を実現します。電子調達の中核機能と位置付けられます。

マイナポータル

マイナポータルは、マイナンバーを活用したオンラインサービスのポータルサイトです。自分の情報がどの行政機関にどのように提供されたかを確認できる「情報提供等記録開示」機能や、子育て関連の手続をまとめてできるサービスなどが提供されています。また、一部の民間サービスとも連携し、行政手続のワンストップ化を進める役割を担っています。利用にはマイナンバーカードと対応カードリーダー、またはスマートフォンが必要です。


4. 防災・危機管理を支える情報配信システム

この章では、災害や武力攻撃などの緊急時に、国民へ素早く情報を届けるためのシステムについて解説します。行政分野の情報システムは、日常的な窓口業務だけでなく、命を守るための情報伝達にも活用されています。

緊急速報

緊急速報は、地震や津波、豪雨などの災害が発生した際に、携帯電話やスマートフォンに対して一斉に配信される警報メッセージです。エリアメール、緊急速報メールなどの名称で提供され、対象となる地域の端末に対して、自動的かつ無料で配信されます。音量が大きく設定されており、マナーモードでも鳴動するなど、確実に注意を促すよう設計されています。

Jアラート(全国瞬時警報システム)

Jアラート(全国瞬時警報システム)は、弾道ミサイルの発射、大規模な自然災害、武力攻撃など、国民の生命に重大な危険が迫った際に、国から自治体や住民へ警報を瞬時に伝達するためのシステムです。人工衛星通信や地上回線を利用し、防災行政無線、屋外スピーカー、ケーブルテレビ、緊急速報メールなど、複数の手段で一斉に情報を届けます。情報伝達のスピードが極めて重要な場面で利用されるため、自動化や多重化によって高い信頼性が確保されています。


まとめ

行政分野におけるシステムは、住民サービスの利便性向上と、行政事務の効率化・透明性向上を目的として整備されています。デジタルガバメントや電子自治体という全体像のもと、ガバメントクラウドやベースレジストリ、住民基本台帳ネットワークシステム、マイナンバー・マイナンバーカードなどが基盤として機能しています。

その上で、e-Gov や電子申請・電子調達・電子入札、マイナポータルといった具体的なサービスが、国民や企業との接点となっています。さらに、緊急速報やJアラートのように、防災・危機管理のためのシステムも重要な役割を果たします。

ITパスポート試験では、これらの用語が単なる「言葉の暗記」にならないよう、それぞれが行政のどの場面で使われ、どのような目的で導入されているのかを合わせて理解しておくことが大切です。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次