【ITパスポート試験】No.040|代表的なビジネス分野におけるシステム

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。

企業の活動は、販売、金融、物流、交通、エネルギー、ネットサービスなど多様な分野にまたがっています。こうしたビジネス分野ごとに、それぞれの業務を支える情報システムが存在し、社会インフラとしても欠かせない役割を担っています。本記事では、代表的なビジネス分野のシステムと、その特徴・活用例をまとめて整理します。


目次

1. ビジネス分野別システムの全体像

この章では、「代表的なビジネス分野におけるシステム」という全体像を押さえます。さまざまな業種で利用されているシステムは、一見バラバラに見えても、共通して「業務を効率化し、正確なデータに基づく判断を支援する」という目的を持っています。

代表的なビジネスシステムの特徴

代表的なビジネス分野のシステムには、いくつかの共通した特徴があります。まず、現場で発生する取引や作業の情報をリアルタイムに収集し、データベースに蓄積します。次に、そのデータを分析することで、在庫の最適化やリスク管理、需要予測など、意思決定に役立つ情報へと変換します。また、他のシステムとの連携を前提として設計されていることも重要です。販売システムのデータが物流や会計システムに自動連携されることで、全社的な業務効率化が進みます。


2. 流通・金融を支える情報システム

この章では、商品やお金の流れを扱う流通・金融分野のシステムを取り上げます。消費者の購買から決済、在庫・物流管理までを一気通貫で支え、企業の売上やリスク管理の基盤となっています。

流通情報システム

流通情報システムは、メーカーから卸、小売店、そして消費者に至るまでの商品や在庫の流れを管理するシステムです。受発注、在庫管理、配送計画などの情報を一元管理し、欠品や過剰在庫を防ぎます。POSから取得した販売実績データと連携することで、需要予測や自動発注など高度な運用も可能になります。

金融情報システム

金融情報システムは、銀行や証券会社、保険会社などで、預金・融資・決済・投資などの取引を管理するシステムです。大量のトランザクションを高い信頼性で処理することが求められ、セキュリティや可用性の確保が特に重要です。オンラインバンキングやキャッシュレス決済の普及により、顧客が24時間どこからでも取引できる環境を支えています。

POSシステム

POS(Point of Sales:販売時点情報管理)システムは、レジで商品バーコードを読み取った瞬間に、商品・数量・時刻などの販売情報を記録するシステムです。単なる会計処理にとどまらず、店舗ごとの売れ筋分析や在庫管理、キャンペーン効果の検証などに活用されます。流通情報システムや本部の基幹システムと連携することで、チェーン全体の経営判断に役立つデータを提供します。


3. 位置情報と地理情報の活用システム

この章では、位置情報や地理情報を活用してサービスを提供するシステムを見ていきます。物流や営業活動、防災、地域計画など、さまざまな分野で活用されています。

GPS応用システム

GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)応用システムは、人工衛星からの信号を使って位置を測定し、カーナビやスマートフォンの地図アプリ、配車サービスなどに利用されます。物流業界では、トラックの現在位置を把握して配送計画を最適化する用途が一般的です。位置情報を基にした観光案内や、移動履歴を使ったマーケティングなど、応用範囲は広がり続けています。

GIS

GIS(Geographic Information System:地理情報システム)は、地図上にさまざまな情報を重ね合わせて分析するシステムです。人口分布、交通量、店舗の場所、災害リスクなどを組み合わせて表示できるため、出店計画や都市計画、防災計画などで活用されます。位置情報を持つデータを可視化することで、紙の地図だけでは見えにくい傾向やパターンを把握しやすくなります。


4. 交通インフラを支える高度道路システム

この章では、道路交通をより安全・快適・効率的にするためのシステムを取り上げます。高度な情報通信技術を組み合わせることで、渋滞緩和や事故防止、料金収受の効率化が図られています。

ITS

ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)は、車両や道路、管制センターなどが情報通信ネットワークでつながり、交通情報をやり取りするシステムです。渋滞情報や事故情報をドライバーに提供したり、信号機の制御を最適化したりすることで、交通の安全性と効率を高めます。自動運転技術とも密接に関連する分野です。

ETCシステム

ETC(Electronic Toll Collection:自動料金収受)システムは、高速道路の料金所で車を止めることなく通過できるようにしたシステムです。車載器と料金所に設置されたアンテナが無線通信を行い、料金を自動的に精算します。渋滞緩和や人件費削減に加えて、時間帯別料金など柔軟な料金施策を実現できる点も特徴です。


5. 店舗と営業現場のデジタル化

この章では、店舗や営業現場で直接顧客と接する場面を支えるシステムを取り上げます。ICカードやRFIDを活用することで、スムーズな決済や在庫管理、顧客情報の活用が進んでいます。

ICカード

ICカードは、ICチップを内蔵したカードで、交通系カードや電子マネー、社員証、入退室管理カードなどに利用されています。チップ内にデータを保存し、リーダーにかざすだけで認証や支払いが行えるため、処理が高速で利便性が高い点が特徴です。偽造や不正利用を防ぐためのセキュリティ機能も備えています。

RFID

RFID(Radio Frequency Identification:ICタグ)は、電波を使ってタグの情報を読み書きする仕組みです。バーコードと異なり、離れた場所から複数のタグを一括で読み取れるため、物流倉庫の在庫管理や、商品の入出庫管理などで活用されています。タグに固有IDを持たせることで、個体ごとの追跡も容易になります。

セルフレジ

セルフレジは、顧客自身が商品をスキャンし、支払いまでを行うレジシステムです。店舗側はレジ待ち時間の短縮や人件費削減が期待でき、顧客側は自分のペースで会計できるメリットがあります。ICカードやQRコード決済などのキャッシュレス手段と組み合わせることで、よりスムーズな会計が可能になります。

営業支援システム(SFA)

営業支援システム(SFA:Sales Force Automation)は、営業担当者の活動を記録・分析し、案件管理や売上予測を支援するシステムです。顧客の連絡履歴や提案内容、見積情報などを一元管理することで、属人的になりがちな営業活動を組織として見える化できます。モバイル端末からも利用できるようにすることで、訪問先からリアルタイムに情報を更新することも可能です。


6. 網とエネルギー管理の高度化

この章では、サプライチェーン全体の見える化や、電力の安定供給を支えるシステムを扱います。環境問題やエネルギーコストの高まりに対応するうえでも重要な分野です。

トレーサビリティ

トレーサビリティは、「追跡可能性」という意味で、原材料から製品、流通、販売に至るまでの履歴をたどれるようにする仕組みです。食品や医薬品などでは、どのロットがどの店舗に出荷されたかを把握することで、不良品発生時の回収範囲を特定できます。ICカードやRFID、バーコードなどを組み合わせて実現されることが多く、安全性と信頼性の向上に貢献します。

スマートグリッド

スマートグリッドは、電力の需給状況をリアルタイムに把握し、ITを活用して電力網を賢く制御する仕組みです。再生可能エネルギーの発電量は天候によって変動しますが、スマートグリッドにより、蓄電池や需要側の制御と組み合わせて安定供給を図ります。家庭や工場の電力使用量を細かく計測・見える化することで、省エネや料金の最適化にも役立ちます。


7. サービス提供基盤とサイバー空間の高度利用

この章では、インターネットを通じたコンテンツ配信や、現実世界と仮想空間を連携させる先端的なシステムを紹介します。大規模サービスの裏側を支える基盤技術として理解しておくと役立ちます。

CDN

CDN(Content Delivery Network)は、インターネット上のさまざまな地点にサーバーを分散配置し、ユーザーに近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みです。動画配信や大規模なWebサービスでは、CDNを利用することで、アクセス集中時でも高速で安定した配信ができます。ユーザー体験の向上とサーバー負荷の分散に欠かせないインフラです。

デジタルツイン

デジタルツインは、現実世界の設備や工場、都市などを、仮想空間上にそっくりそのまま再現し、シミュレーションや監視に利用する概念です。センサーから取得したリアルタイムデータを反映させることで、故障予兆の検知や運転条件の最適化が可能になります。現実の設備を停止させなくても、仮想空間で事前検証できる点が大きなメリットです。

サイバーフィジカルシステム(CPS)

サイバーフィジカルシステム(CPS:Cyber Physical System)は、現実世界(フィジカル)とサイバー空間を密接に連携させるシステム全体を指します。現場のセンサーやIoT機器からデータを収集し、クラウド上で分析した結果を、再び現場の機器制御にフィードバックするような循環が特徴です。スマートファクトリーや自動運転、スマートシティなど、多くの先端分野に応用されています。


8. ICカード・RFIDとブロックチェーンの活用例

この章では、具体的な活用例として、ICカードやRFIDを使った業務改善と、ブロックチェーン技術の利用について説明します。どちらもトレーサビリティの確保や取引の信頼性向上に役立つ技術です。

ICカードやRFIDを応用した業務改善

ICカードやRFIDは、認証や識別を自動化できるため、さまざまな業務改善に活用されています。社員の入退室管理を自動化すれば、紙の出入り記録が不要になり、セキュリティレベルも向上します。物流現場では、RFIDタグを付けた商品やパレットをゲートを通過させるだけで入出庫情報を自動記録でき、棚卸し時間の大幅短縮が期待できます。このように、人手によるチェックや入力の手間を省き、ミス削減とスピードアップを同時に実現できる点がポイントです。

ブロックチェーンの活用

ブロックチェーンは、取引履歴を分散的に記録し、改ざんを困難にする技術です。トレーサビリティの確保では、原材料の生産から製品の販売までの履歴をブロックチェーンに記録することで、あとからデータを書き換えることが事実上できない仕組みを作れます。また、あらかじめ条件をプログラムしておき、自動的に契約を実行する「スマートコントラクト」を活用すれば、支払いや権利移転などを自動化することも可能です。金融分野だけでなく、物流や不動産、サプライチェーン管理など、多様なビジネスで試されています。


まとめ

代表的なビジネス分野におけるシステムは、流通・金融・交通・エネルギー・ネットサービスなど、多岐にわたる業務を支えています。POSや流通情報システム、金融情報システムは、商品やお金の動きを正確に記録し、経営判断の基盤となるデータを提供します。GPSやGIS、ITS、ETCシステムは、位置情報と交通インフラを支え、社会全体の利便性と安全性を高めています。

また、ICカードやRFID、セルフレジ、SFAなどは、店舗や営業現場の業務を効率化し、顧客体験の向上にもつながります。トレーサビリティやスマートグリッドは、サプライチェーンやエネルギーの見える化を進め、CDN、デジタルツイン、CPSといった技術は、サイバー空間と現実世界を密接に結びつける役割を担っています。さらに、ブロックチェーンやスマートコントラクトの活用によって、取引の信頼性を確保しつつ、自動化・省力化も進められます。

これらのシステムの目的や役割を関連づけて理解しておくことで、ビジネス分野における情報システムの全体像が見えやすくなります。どのシステムがどの分野を支え、どのような価値を生み出しているのかを意識して整理しておくと、学習にも実務にも役立ちます。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次