【ITパスポート試験】No.009|問題解決手法

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本記事では、仕事で発生するさまざまな問題に対して、短時間で多くのアイデアを生み出し、整理して解決の方向性を見つけるための基本的な問題解決手法を解説します。ブレーンストーミング、ブレーンライティング、親和図法という代表的な手法を中心に、問題解決手法が求められる背景や、実務で活かすためのコツまでを章立てして整理していきます。

目次

1. 問題解決手法の基本的な考え方

この章では、なぜ問題解決手法が必要とされるのか、そして共通する考え方が何かを整理します。手法の名前を知るだけでなく、その目的を理解しておくことで、場面に応じて使い分けやすくなります。

問題解決手法が必要とされる背景

仕事の問題は、単純なミスのように原因がはっきりしているものばかりではありません。部署をまたいだコミュニケーションの不足や、顧客ニーズの変化、制度やルールの制約など、複数の要因が絡み合った複雑な課題も多くなっています。こうした問題を、一人の勘や経験だけで解きほぐすのは難しくなってきています。

そこで、複数のメンバーが協力して問題を整理し、解決策を考えるための「型」として問題解決手法が役立ちます。手順やルールが決まっていることで、会議が場当たり的になりにくく、限られた時間の中でも一定の成果を出しやすくなります。特に、普段あまり発言しない人の意見を引き出す仕組みとして、問題解決手法は大きな意味を持ちます。

問題解決の基本ステップ

多くの問題解決手法には、「発散」と「収束」という二つのステップが共通して存在します。発散のステップでは、まず考え得るアイデアや原因候補をできるだけ多く挙げ、視野を広げることを重視します。ここでは、ブレーンストーミングやブレーンライティングが活躍します。

その後の収束のステップでは、出てきたアイデアを整理・分類し、優先度をつけたり、実行可能性を検討したりします。親和図法は、この収束の場面で力を発揮する手法です。このように、発散と収束を意識して手法を組み合わせることで、思いつきに頼らない、体系的な問題解決を進めることができます。


2. アイデアを広げる発想系の手法

この章では、アイデアの「量」を増やし、柔軟な発想を引き出すための手法であるブレーンストーミングとブレーンライティングを紹介します。どちらもまずは自由に意見を出すことを重視する点が共通しています。

ブレーンストーミング

ブレーンストーミングは、グループで口頭の意見交換を行いながらアイデアを出し合う手法です。代表的なルールとして、「批判しない」「質より量を重視する」「自由奔放な発想を歓迎する」「他人のアイデアに便乗してよい」といったものがあります。これらのルールを共有することで、参加者が安心して発言できる雰囲気を作ることができます。

具体的な進め方としては、まずテーマを簡潔な一文で提示し、時間を区切って一人ずつ順番に話す、あるいは思いついた人から次々と発言する方法がよく使われます。ファシリテーターは、出てきたアイデアをホワイトボードや模造紙に書き出し、参加者全員が一覧できるようにします。そのうえで、似ているアイデアが重なっても気にせず、とにかく数を増やすことに集中するのがポイントです。

ブレーンライティング

ブレーンライティングは、アイデアを口頭ではなく紙や付箋に書き出すスタイルの発想手法です。例えば、各参加者が用紙にアイデアを書き、一定時間ごとに隣の人と用紙を交換し、相手のアイデアを見て新たなアイデアを書き足す、といったやり方が一般的です。このサイクルを複数回繰り返すことで、静かな雰囲気の中でも多くのアイデアを集めることができます。

この手法の利点は、発言の得意・不得意にかかわらず、全員のアイデアを均等に集められる点にあります。声の大きい人だけが目立つこともなく、普段はあまり話さない人の考えも自然と取り込めます。また、他の人の意見が書かれた紙を見ながら発想を広げることで、一人では思いつかなかった視点が生まれることも多くあります。最後に全ての紙や付箋を集め、壁に貼り出して共有することで、後続の親和図法にスムーズにつなげられます。


3. アイデアを整理する構造化の手法

この章では、発想系の手法で生み出された大量のアイデアを整理し、問題の全体像や重点領域を明らかにする親和図法を取り上げます。発散したアイデアを、解決に向けて収束させるための重要なステップです。

親和図法

親和図法は、アイデアや意見を書いたカード・付箋などを、意味の近いもの同士でグルーピングし、そのグループごとにタイトルを付ける手法です。まず、机や壁にアイデアの書かれた付箋をすべて並べ、参加者が一枚ずつ内容を読み上げながら、関連しそうなものを近くに寄せていきます。この段階では、正解を求めすぎず、直感的に「似ている」と感じる組み合わせでまとめていくことが大切です。

ある程度グループができたら、それぞれの塊が何を意味しているのかを話し合い、「情報共有の不足」「顧客対応の課題」「システムの操作性」など、簡潔で分かりやすいタイトルを付けていきます。このタイトル付けのプロセスを通じて、参加者の認識が揃い、「どのような種類の問題があるのか」「どのグループに重点的に取り組むべきか」が見えてきます。最終的には、親和図をもとに優先順位の検討や具体的な施策の洗い出しへと進むことができます。


4. 問題解決手法を実務で活かすコツ

この章では、紹介した三つの手法を、実際の職場の会議やワークショップで活かすためのポイントを整理します。準備・進行・振り返りという三つの場面に分けて考えると、運営の工夫がしやすくなります。

準備段階で押さえておくポイント

問題解決手法を使う前の準備として重要なのは、「テーマの設定」と「時間とルールの共有」です。テーマが曖昧だったり広すぎたりすると、アイデアがあちこちに散らばり、結局何を議論していたのか分からなくなってしまいます。できるだけ具体的に、「○○の業務をもっと効率化するには?」「△△のクレームを減らすには?」といった形でテーマを絞ることが望ましいです。

また、所要時間をあらかじめ決めておき、「前半10分でアイデア出し、後半20分で親和図」といったように配分を示すと、参加者もペースをつかみやすくなります。さらに、批判をしないことや、他人の意見を否定せずに受け止めることなど、基本的なルールを事前に共有しておくことで、安心して発言・記入できる場が作りやすくなります。

進行中のファシリテーション

進行役(ファシリテーター)は、場の雰囲気を整えながら、手法がルール通りに機能するようサポートします。ブレーンストーミングでは、特定の人の発言に偏っていないかを観察し、まだ発言していない人には「何か追加でアイデアはありますか?」と問いかけるなど、参加のバランスを取る工夫が重要です。意見が途切れたときには、視点を変える質問を投げかけることで、再び発想を促すこともできます。

ブレーンライティングや親和図法では、作業が単調にならないよう、ラウンドごとに時間を区切ったり、適度に立ち歩いて付箋を動かす時間を設けたりすると、集中力が保ちやすくなります。ファシリテーター自身が「正しい答え」を決めてしまうのではなく、参加者全員の意見を引き出していく姿勢が大切です。

終了後の振り返りとアクションにつなげる工夫

問題解決手法を使った後は、必ず結果を整理し、次のアクションにつなげるステップを設けることが重要です。ブレーンストーミングやブレーンライティングで出たアイデア、親和図でまとめたグループとタイトルを写真やデータとして記録し、「どのアイデアをいつ検討するか」「誰が担当するか」を簡単でもよいので決めておきます。

また、手法そのものについても、「やってみてどうだったか」「次はどこを改善したいか」といった振り返りを行うと、回を重ねるごとに質が高まります。問題解決手法は、一度使えば終わりというものではなく、組織の文化として少しずつ根付かせていくものです。小さな成功体験を積み重ねることで、メンバーも「このやり方なら意見が出しやすい」と感じ、次第に日常の会議にも自然と取り入れられるようになっていきます。


まとめ

問題解決手法は、複雑な課題に対して多様な視点からアプローチするための「場づくりの道具」です。ブレーンストーミングやブレーンライティングのような発想系の手法を使えば、普段は出てこないようなアイデアを含め、短時間で大量の意見を集めることができます。特に、批判を控えるルールや、量を重視する姿勢を共有することで、参加者の心理的なハードルを下げられる点が大きなメリットです。

一方で、出てきたアイデアをそのままにしておくと、「結局どこに問題があるのか」「どんな方向性で解決策を考えるべきか」が見えにくくなってしまいます。親和図法のような構造化の手法を組み合わせることで、アイデアの塊ごとにテーマを整理し、重点的に取り組むべき領域を明らかにできます。発散と収束を意識して手法を組み合わせることが、問題解決を前に進めるうえでの重要なポイントです。

さらに、準備段階でのテーマ設定やルール共有、進行中のファシリテーション、終了後の振り返りとアクション設定までを含めて考えることで、問題解決手法は単なる「イベント」ではなく、実際の業務改善につながる実践的な仕組みになります。日々の会議や打ち合わせの中で少しずつ取り入れ、組織の共通言語として育てていくことで、継続的な改善と新しいアイデア創出の土台をつくることができるでしょう。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
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