
1. ITパスポート試験とは
ITパスポート試験(通称:iパス)は、2009年に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が開始した国家試験で、経済産業省所管の情報処理技術者試験区分の一つです。ITだけでなく、ビジネスや経営の基礎も含めて横断的に出題されるのが特徴で、学生から社会人、非エンジニア職まで幅広い層の「デジタルの基礎力」を測ります。試験はコンピュータを使うCBT方式で通年実施され、全国のテストセンターで受験できます。
出題範囲は大きく三分野に分かれます。戦略(ストラテジ)分野では、企業活動や会計、マーケティング、経営戦略、法務(知的財産・個人情報保護など)を扱います。管理(マネジメント)分野では、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査などを学びます。技術(テクノロジ)分野では、コンピュータの仕組み、ネットワーク、データベース、情報セキュリティなどをカバーします。合否は総合点に加え、分野ごとの一定割合を下回ると不合格となる方式が採られています。
特徴は、社会人基礎としての汎用性と、学習を通じてビジネスとITの橋渡しができる点です。はじめ方は、まず公式シラバスで範囲を把握し、用語と基本概念(情報セキュリティ、ネットワーク、会計・原価、契約・著作権など)をテキストと過去問で固めます。次に、模擬試験(CBT形式の演習)で時間感覚と出題傾向に慣れ、間違えた問題はシラバスの対応箇所に戻って復習します。実務に直結させたい場合は、学んだ概念を自社・学校の事例に当てはめてメモ化しておくと理解が定着しやすく、資格取得後も現場で活かしやすくなります。
目次
順次更新していきます。