
1. Adobe Photoshopとは
Adobe Photoshopは、1990年にAdobe(当時 Adobe Systems)が開発・公開した画像編集ソフトです(初期の原型はThomas・John Knoll兄弟による試作に由来)。WindowsとmacOSで利用でき、写真のレタッチからデザイン制作、合成、Web用画像書き出しまで幅広く対応します。ファイル形式はPSDを中心に、JPEG/PNG/TIFF/HEIC など一般的な形式も読み書き可能。レイヤーを重ねて編集する方式のため、背景・人物・文字・効果を分けて管理でき、後からやり直ししやすいのが特長です。
できることは、写真補正(露出・色・ホワイトバランス・ノイズ低減)、不要物の除去(スタンプ、修復、コンテンツに応じた塗りつぶし)、選択範囲作成(被写体を選択、クイック選択、ペンツール)、合成(マスク、ブレンドモード)、描画・テキスト(ブラシ、シェイプ、文字組版)、フィルター(ぼかし、シャープ、ゆがみ)など。調整レイヤーやスマートオブジェクトを使えば非破壊で編集でき、後から値だけを調整できます。Camera Rawを使ったRAW現像、WebやSNS向けの「書き出し(書き出し形式)」、カラープロファイル対応、ガイド・グリッドによる正確なレイアウトも実務で役立ちます。
特徴は、細かな編集までコントロールできる精度、やり直しに強い編集構造、用途の広さの三点です。基本の流れは「画像を開く → レイヤーを分ける → 調整レイヤーで色・明るさを整える → マスクで必要な部分だけに効果をかける → 仕上げて書き出す」。はじめ方は、ツールバーの移動・投げなわ・ブラシ・修復・文字の各ツールを触りつつ、レイヤーパネルとヒストリー、プロパティに慣れるのがおすすめです。写真のキズ消しや色直しといった日常のレタッチから、広告バナーや合成、印刷物の入稿データ作成まで、Photoshopは“正確に仕上げるための標準ツール”として活躍します。