
1. プレビューアプリとは
プレビュー(Preview)は、2001年にAppleがMac OS X(現macOS)とともに開発・公開した標準アプリです。PDFや画像をすばやく開いて確認できる「見るための道具」であると同時に、ちょっとした編集や書き込みまで一本でこなせます。DockやFinderでファイルをダブルクリックすると既定で起動し、複数ファイルをタブで開けるので、資料確認や画像チェックがテンポ良く進みます。
できることは大きくPDF編集と画像編集の二つです。PDFは、注釈(ハイライト、下線、付箋メモ)、フォーム入力、手書き・テキストの追記、署名の挿入(トラックパッドやカメラで自分のサインを取り込み)、ページの並べ替え・削除・挿入、複数PDFの結合、機密用のパスワード設定、ファイルサイズの圧縮などに対応します。画像は、切り抜き・回転・サイズ変更・色調整に加え、背景だけを消す「インスタントアルファ」、図形や矢印・吹き出しの描画、ぼかしやモザイク代わりの塗りつぶしで個人情報を隠す、といった用途に向いています。対応形式はPDF、JPEG、PNG、TIFF、HEICなど一般的なものを幅広くカバーし、必要に応じて形式変換もできます。
特徴は、標準アプリとしての手軽さ、作業を中断しない軽快さ、そして「確認→ちょい編集→共有」までを一気通貫で済ませられる点です。サムネール表示でページ全体を俯瞰しながら編集でき、注釈の一覧でコメント箇所へすぐ跳べます。iPhoneを使う場合は、連携機能(連係カメラ)でその場で撮った画像や書類スキャンをMacのプレビューに直接取り込み可能です。はじめ方は簡単で、「PDFを開く→マークアップボタンで注釈や署名を追加→必要ならページの並べ替えや結合→“書き出す”でPDFまたは画像に保存」の流れを覚えておけば十分。閲覧と軽作業なら、追加ソフトなしで日常の書類仕事をしっかり支えてくれます。