本記事では、コンピュータが扱う情報の大きさを表す「情報量の単位」について整理します。ビットやバイトといった基本単位から、キロ(k)、メガ(M)、ギガ(G)などの接頭語を組み合わせた表し方までを、イメージしやすいように解説していきます。情報量の単位は一見ただの記号のように見えますが、意味を理解しておくとストレージ容量や通信速度の違いを正しく読み取れるようになります。試験の計算問題だけでなく、日常生活でスマホやパソコンを選ぶときにも役立つ知識なので、しっかり整理しておきましょう。
1. ビットとバイトで情報の大きさをつかむ

この章では、情報量の最も基本的な単位であるビットとバイトについて整理します。「ビット=0か1の最小単位」「バイト=ビットが集まったひとかたまり」というイメージを持つことが、他の単位を理解する土台になります。
ビットとは何か
ビット(bit)は、情報量を表す最小の単位で、「0」か「1」のどちらか1つを表します。コンピュータの内部では、電圧が高い状態を1、低い状態を0などのようにして表現しており、その1つ1つがビットに相当します。つまり、1ビットで表せる状態は2通り(0か1)だけです。
ビット数が増えると、表現できる状態の数も増えていきます。例えば2ビットあれば「00」「01」「10」「11」の4通り、3ビットあれば8通りを表せます。この「ビット数が増えると、表現できるパターンが増える」という感覚は、パスワードの桁数や商品コードの種類など、さまざまな場面で応用されます。
バイトとは何か
バイト(byte)は、ビットがまとめられた単位で、通常は8ビットを1バイトとします。多くのコンピュータシステムは、「1文字を1バイトで表す」などのように、扱いやすいひとかたまりとしてバイトを基準に設計されています。そのため、ファイルサイズやメモリ容量などは、ビットではなくバイトを基準として表示されることが一般的です。
バイトは、より大きな情報量の単位とも組み合わせて使われます。たとえば、「1 MB(メガバイト)のファイル」「8 GB(ギガバイト)のメモリ」のような表現は、すべてバイトを基本単位として、その前に接頭語を付けたものです。このように、ビットは「最小」、バイトは「人が扱いやすい基本単位」と覚えておくと整理しやすくなります。
ビットとバイトの関係
ビットとバイトの間には「1バイト=8ビット」という関係があります。したがって、ビットで書かれた情報量をバイトに直したいときは8で割り、逆にバイトからビットに直したいときは8を掛けるだけです。たとえば、16ビットは2バイト、4バイトは32ビットというように変換できます。
試験でよくあるのは、「通信速度はビット毎秒(bps)、ファイルサイズはバイト」というように単位が混ざって出てくるパターンです。この場合、比較したり計算したりする前に、どちらかの単位にそろえる必要があります。「まずビットかバイトかを揃える」という意識を持つだけで、計算ミスをかなり防ぐことができます。
2. 大きな情報量を表す接頭語(k, M, G, T, P)

この章では、バイトの前に付けて使う代表的な接頭語、キロ(k)、メガ(M)、ギガ(G)、テラ(T)、ペタ(P)を整理します。スマホの容量やハードディスクのサイズなどで頻繁に登場するので、それぞれがどれくらいの大きさを意味するのかを感覚としてつかんでおきましょう。
キロ(k)とは何か
キロ(k)は「千倍」を表す接頭語で、1 kB(キロバイト)はおよそ1,000バイトを意味します。身近な例としては、簡単なテキストファイルのサイズが数キロバイト程度になることが多いです。小さな書類ファイルや設定ファイルなどは、だいたいこのくらいの大きさだとイメージしておくとよいでしょう。
情報処理の分野では、2進数との関係から「1,024(=2の10乗)バイトを1KBとする」という扱い方も存在します。ITパスポート試験では、問題文の中で「1KB=1,024バイトとする」などの条件が明示されることがありますので、その場合は指示に従って計算します。普段は「キロ=だいたい千倍」とざっくり覚えておくのが実用的です。
メガ(M)とギガ(G)
メガ(M)は「百万倍」、ギガ(G)は「10億倍」を表す接頭語です。1 MBは約100万バイト、1 GBは約10億バイトに相当します。一般的な画像ファイルや音楽ファイルは数MBから数十MB、スマホやPCのストレージ容量は数十GBから数百GBといった単位で表されることが多いです。
感覚的には、「MBはファイルの大きさ」「GBは保存装置の大きさ」というイメージを持つと分かりやすくなります。たとえば「1枚5MBの写真が、100GBのストレージに約何枚入るか」といった問題は、MBとGBの関係を理解していれば落ち着いて計算できます。試験問題を解くときは、まず「メガとギガはどれくらい倍率が違うか」を把握してから数値を追うようにするとよいでしょう。
テラ(T)とペタ(P)
テラ(T)は「1兆倍」、ペタ(P)は「1000兆倍」を表す接頭語です。1 TB(テラバイト)は約1兆バイト、1 PB(ペタバイト)は約1000兆バイトという非常に大きな容量になります。個人が使うPCや外付けHDDではテラバイトの容量が一般的になっており、クラウドサービスや大規模なデータセンターではペタバイト級のデータ量が扱われることもあります。
テラやペタといった単位は、日常生活ではあまり意識しないかもしれませんが、「大量の動画データやビッグデータを扱う世界の話」として押さえておくと理解しやすくなります。試験では、「PB>TB>GB>MB>KB」のような大小関係や、概算レベルの倍率を問う問題が登場することがありますので、単位の並び順は覚えておきたいところです。
3. 小さな情報量を表す接頭語(m, μ, n, p)

この章では、情報量だけでなく、時間や電圧、周波数などにもよく使われる小さい側の接頭語、ミリ(m)、マイクロ(μ)、ナノ(n)、ピコ(p)について整理します。情報処理の世界では、通信の単位時間や信号の細かさを表すときにも登場するため、意味を知っておくと安心です。
ミリ(m)とマイクロ(μ)
ミリ(m)は「千分の1」、マイクロ(μ)は「100万分の1」を表す接頭語です。たとえば、1ミリ秒(ms)は1秒の千分の1、1マイクロ秒(μs)は1秒の100万分の1を意味します。コンピュータの処理速度が速いことを表すときに、「何ミリ秒で応答する」「何マイクロ秒で処理する」といった形で使われます。
ビットやバイトと組み合わせれば、1 Mbps(メガビット毎秒)と1 Mbpsの中の1 ms(ミリ秒)といったように、時間あたりの情報量を細かく表現できます。単位の意味が分かっていないと「記号が似ているから同じもの」と勘違いしやすいため、「mは千分の1」「μは100万分の1」と、数字とセットで覚えるようにすると混乱が減ります。
ナノ(n)とピコ(p)
ナノ(n)は「10億分の1」、ピコ(p)は「1兆分の1」を表す接頭語です。1ナノ秒(ns)は1秒の10億分の1で、CPUのクロック周期など非常に短い時間を表すときに使われます。ピコ秒(ps)になると、さらにその1000分の1という、想像しにくいほど短い時間になります。
情報処理の基盤となる半導体の世界では、ナノメートル(nm)という単位で配線の細かさが語られます。プロセスルールが「7nm」や「5nm」といった表現で登場するのは、このナノの単位を使っているためです。ITパスポート試験では、具体的な数値計算よりも、「ナノ<マイクロ<ミリ」のような大小関係を理解しているかが問われることが多いと考えられます。
4. 単位の読み取りと計算のコツ

この章では、これまで学んだビット・バイトと接頭語を組み合わせた単位の読み方と、試験でよく登場する計算のコツをまとめます。記号だけを見ると複雑に見えますが、「どの部分がビット・バイトで、どの部分が接頭語か」を丁寧に分けて考えれば、落ち着いて処理できるようになります。
単位の組み合わせの読み方
情報量や通信速度の単位は、「接頭語+基本単位」という形で表されます。たとえば、KB(キロバイト)、MB(メガバイト)、Gbps(ギガビット毎秒)などがこれに当たります。先頭の大文字・小文字にも意味があり、b(小文字)はbit、B(大文字)はByteを表すことが多いので、「1Mb」と「1MB」はまったく違う大きさになる点に注意が必要です。
また、通信速度を表すときは「bps(bit per second)」という単位をよく使います。たとえば「100 Mbps」は「1秒あたり100メガビットを送れる」という意味です。このとき、ダウンロードにかかる時間を求めるには、「ファイルサイズ(バイト)→ビットに変換→1秒あたりのビット数で割る」という手順で計算することになります。記号を丁寧に読み解き、「これは大きさ」「これは時間あたり」を区別して考えることがポイントです。
ビット・バイトと接頭語を使った計算の流れ
試験レベルの計算では、正確な桁まで求めるよりも、「変換の手順を間違えないこと」が重要です。一般的な流れとしては、まずビットかバイトかをそろえ、次に接頭語の倍率を考え、最後に必要に応じて別の単位に再変換します。途中で単位を書き添えながら計算すると、どの段階の値なのかが分かりやすくなります。
たとえば、「1枚2MBの画像ファイルを、1秒あたり8Mbpsの回線で送るとき、何秒かかるか」という問題を考えてみます。この場合、まず2MBをビットに変換し(2MB=約16Mbit)、それを1秒あたりの8Mbitで割ると、約2秒という結果が得られます。このように、「単位を揃える→倍率を意識して変換する」という手順を守れば、複雑そうに見える問題でも順を追って解けるようになります。
まとめ
情報量の単位は、「ビット・バイト」という基本単位と、「k, M, G, T, P, m, μ, n, p」といった接頭語を組み合わせて構成されています。まずは、1ビットが0か1の最小単位であり、8ビットで1バイトになるという関係をしっかり押さえることが出発点です。そのうえで、キロ・メガ・ギガ・テラ・ペタのように、大きな情報量を表す単位の倍率と並び順をイメージしておくと、ストレージ容量やファイルサイズの感覚がつかみやすくなります。
一方で、ミリ・マイクロ・ナノ・ピコといった小さい側の接頭語は、時間や長さなどにも広く使われます。情報処理の分野では、応答時間やクロック周期、半導体の配線幅などを表す際に登場することが多く、コンピュータの高速さや精密さを理解するうえで重要な役割を果たします。「小文字のmは千分の1、μは100万分の1」といった形で、数字とセットで覚えると混乱しにくくなります。
最終的には、「記号の中でどこが接頭語で、どこがビット・バイトなのかを見分ける力」と、「必要に応じてビットとバイト、接頭語の倍率を変換できる力」が重要です。この2つを意識していれば、情報量の単位に関する問題が出てきても、単なる暗記ではなく、意味を理解しながら落ち着いて答えを導き出せるようになります。


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