【ITパスポート試験】No.084|ITガバナンス

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本記事では、ITガバナンスの意味と、組織におけるITの「あるべき姿」を示す仕組みについて解説します。取締役会や経営層が、ステークホルダのニーズに応えつつ、組織の価値や信頼を高めるためにどのようにITを活用していくのか、その考え方の全体像を整理していきます。


目次

1. ITガバナンスとは何か

この章では、ITガバナンスという言葉が指している範囲を整理し、組織体のガバナンス全体の中でどのような位置づけになるのかを説明します。

組織ガバナンスの一部としてのITガバナンス

ITガバナンスとは、組織体のガバナンスを構成する要素の一つです。ガバナンスとは、組織を適切に方向づけ、監督し、健全に運営するための仕組みやルールのことを指します。

その中でITガバナンスは、特に「ITに関する意思決定や監督の仕組み」を意味しており、ITに関する戦略や方針を定め、それがきちんと実行されているかを見ていく役割を持ちます。単にシステム部門に任せるのではなく、経営全体の一部としてITをどう扱うかを考える点が特徴です。

取締役会など経営層が担う役割

ITガバナンスは、情報システム部門だけのテーマではなく、取締役会などの経営層が担うガバナンスの重要な構成要素とされています。経営層がITに関する最終的な責任を持ち、組織の方向性に合わせてITの役割や投資の優先度を決める必要があるからです。

そのため、ITガバナンスでは「経営戦略とIT戦略をどう結び付けるか」「経営層がどのようにITに関与するか」が大きなポイントとなります。


2. ステークホルダのニーズと組織価値・信頼

この章では、ITガバナンスがなぜステークホルダのニーズを重視するのか、そしてそれが組織の価値や信頼の向上につながる理由を解説します。

ステークホルダのニーズに基づくITの方向づけ

ITガバナンスでは、取締役会などがステークホルダのニーズを踏まえてITの戦略や方針を検討します。ここでいうステークホルダとは、株主、顧客、従業員、取引先、地域社会など、組織に利害関係を持つ人やグループのことです。

たとえば、顧客からは「便利で安全なネットサービスを使いたい」、株主からは「効率的なIT投資で収益を高めてほしい」といった要望があります。ITガバナンスは、これらのニーズを把握したうえで、どのようなIT投資やITサービスを提供するべきかを方向づけていきます。

組織の価値と信頼を高める目的

ITガバナンスの目的の一つは、組織の価値と組織への信頼を高めることです。

適切なITガバナンスが働いていれば、IT投資が無駄なく行われ、業務効率の向上や新たなサービス創出など、ビジネスにプラスの効果を生み出しやすくなります。これは組織の価値向上につながります。

また、情報漏えいやシステム障害などのリスクに適切に対処できる体制を整えることも、ITガバナンスの重要な役割です。ITに関するリスクが管理されていると、顧客や取引先、株主からの信頼も高まり、長期的な関係構築に役立ちます。


3. ITの「あるべき姿」とIT戦略・方針

この章では、ITガバナンスが示す「IT利活用のあるべき姿」と、その実現のために策定されるIT戦略や方針について説明します。

IT利活用の「あるべき姿」を描く

ITガバナンスでは、組織におけるITの利活用が「どうあるべきか」という理想像を示します。たとえば、「お客様との接点はデジタルチャネル中心にする」「業務データは一元管理して迅速に分析できるようにする」といった方向性がこれにあたります。

この「あるべき姿」が明確になると、どの業務でどのようにITを使うのか、どのシステムを強化・統合すべきかといった判断がしやすくなり、組織全体でブレないIT活用が進められます。

IT戦略と方針の策定

描いた「あるべき姿」を実現するために、IT戦略と方針が具体的に定められます。IT戦略は、中長期的にITをどの分野に重点投資するか、どのような技術を取り入れるかなど、大きな方向性を示すものです。

一方でIT方針は、セキュリティをどう確保するか、システム開発や運用のルールをどうするか、外部委託をどう管理するかといった、もう少し具体的な考え方やルールを指します。ITガバナンスでは、これらを経営層が主導して定めることで、組織全体として一貫性のあるIT活用ができるようにします。

実現のための活動

ITガバナンスは、戦略や方針を「作って終わり」ではなく、「その実現のための活動」まで含めた概念です。

実現のための活動には、IT投資の評価・承認のプロセスを整えること、プロジェクト管理やITリスク管理の仕組みを作ること、ITに関する役割分担や責任範囲を明確にすることなどが含まれます。こうした活動を継続的に行うことで、IT戦略と方針が実際の業務に落とし込まれ、組織の価値や信頼の向上へとつながっていきます。


まとめ

ITガバナンスは、組織のガバナンス全体を構成する重要な要素であり、ITに関する意思決定と監督の仕組みを表す言葉です。特別な技術用語というより、「経営層がITを含めて組織全体をどう方向づけるか」を示す考え方だと捉えると理解しやすくなります。

その中心には、ステークホルダのニーズに応えながら、組織の価値と信頼を高めるという目的があります。顧客や株主、従業員などの期待を踏まえてITの活用方針を決めることで、ビジネスに貢献するIT投資やサービス提供が可能になります。

さらに、ITガバナンスは、ITの「あるべき姿」を示し、その実現のためのIT戦略と方針を策定し、具体的な活動へとつなげていく役割を果たします。ITパスポート試験では、単語として覚えるだけでなく、「経営とITをつなぐ仕組み」であることを意識して整理しておくと理解が深まります。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

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