【ITパスポート試験】No.083|内部統制

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本記事では、企業が健全かつ効率的に組織運営を行うための仕組みである「内部統制」について解説します。内部統制の目的や基本的な考え方に加え、業務プロセスの明確化や職務分掌、ルールやチェック体制の整備がなぜ重要なのかを整理します。さらに、用語例として挙げられているモニタリングとレピュテーションリスクについても、内部統制との関係をわかりやすく説明していきます。


目次

1. 内部統制の基本的な考え方

この章では、内部統制とは何か、その目的はどこにあるのかを全体像としてつかんでいきます。内部統制は、一部の部署だけのものではなく、企業全体の活動を支える共通の仕組みだと理解することが大切です。

内部統制とは何か

内部統制とは、企業などの組織が、自ら健全かつ効率的な組織運営を行うために構築・運用する仕組みのことです。経営者の思いつきや現場の場当たり的な判断に任せるのではなく、「こういう流れで仕事をする」「この人がチェックする」といったルールや体制をあらかじめ決めておき、それに従って業務を進めるための枠組みだと考えるとイメージしやすくなります。

内部統制は、単に不正を防ぐためだけの仕組みではありません。ミスの減少、業務効率の向上、法令遵守の徹底、財務報告の信頼性の確保など、組織運営のさまざまな目的を達成するうえで重要な役割を果たします。

内部統制の目的

内部統制の大きな目的は、組織の目標を達成するための土台を作ることです。具体的には、次のような点が挙げられます。

  1. 業務の有効性・効率性の確保
    無駄な作業や属人的なやり方を減らし、組織全体として合理的な業務運営を実現します。
  2. 財務報告の信頼性の確保
    売上や費用などの数字が正確に処理され、外部に報告しても信頼できる状態にすることを目指します。
  3. 法令遵守・規程遵守
    法律や業界ルール、社内規程を守るための仕組みを整え、違反による罰則や信用低下を防ぎます。
  4. 資産の保全
    現金や在庫、情報資産などが不正使用・盗難・紛失などで損なわれないように守ります。

これらを実現するために、内部統制では業務プロセスの整理やルール作り、チェック体制の整備といった具体的な仕組みが必要になります。


2. 内部統制を支える業務プロセスと役割分担

この章では、内部統制を実現するために欠かせない業務プロセスの明確化や職務分掌、実施ルールについて説明します。誰がどの作業を担当し、誰がチェックするのかをはっきりさせることが、内部統制の出発点となります。

業務プロセスの明確化

内部統制を機能させるには、まず「仕事の流れ」を見える化することが重要です。注文を受けてから請求書を発行し、代金を回収するまでの流れなど、業務プロセスを整理して図や手順書にまとめます。

業務プロセスが明確になると、どこでミスが起こりやすいか、どのタイミングでチェックを入れるべきかが分かりやすくなります。また、新しく入った社員にも、統一されたやり方をスムーズに教えることができます。

職務分掌(役割分担)の重要性

職務分掌とは、業務を担当する人の役割を分け、権限や責任を明確にすることです。たとえば、「注文の受付」「商品の出荷」「代金の入金確認」を同じ人が全て行うと、不正やミスが発見されにくくなります。

そこで、内部統制では、重要な処理については「処理する人」と「承認する人」を分けるなど、適切な役割分担を行います。これにより、相互にチェックし合う仕組みが生まれ、不正や間違いの発生リスクを下げることができます。

実施ルールの設定

業務プロセスと職務分掌を決めたうえで、「どのような手順で処理するか」「どの帳票を使うか」「どのタイミングで承認を取るか」といった具体的な実施ルールを文書として定めます。社内規程やマニュアル、手順書などがこれに当たります。

ルールが曖昧だと、担当者によってやり方が異なり、ミスや不正の温床になります。誰が読んでも分かる形でルールを書き、必要に応じて改訂していくことが、内部統制を維持するうえで欠かせません。


3. チェック体制とモニタリング

この章では、内部統制の実効性を高めるためのチェック体制と、用語例の一つであるモニタリングについて解説します。仕組みを作るだけでなく、「きちんと運用されているか」を継続的に確認することがポイントです。

チェック体制の確立

内部統制は、ルールを作っただけでは機能しません。実際にルール通りに業務が行われているか、定期的に確認するチェック体制が必要です。

たとえば、上長による承認印や電子承認、帳票の突合、サンプル抽出による確認などが代表的なチェック方法です。また、内部監査部門による監査も、内部統制を点検する重要な役割を担っています。

チェック体制が整っていると、ミスや不正の早期発見だけでなく、「ルールが現場の実情に合っていない」といった問題点も見つかり、改善につなげることができます。

モニタリング

モニタリングとは、内部統制が継続的に有効に機能しているかを、日常的または定期的に確認・評価する活動のことです。経営者や管理者が、業務状況や指標、監査結果などを通じて内部統制の状態を把握し、必要に応じて見直しを行います。

たとえば、月次の売上報告やエラー件数の推移、社内アンケートなどをチェックし、「最近エラーが増えている」「ある部署だけ承認漏れが多い」といった兆候を捉えることがモニタリングの一例です。モニタリングの結果を踏まえてルールやプロセスを改善することで、内部統制は「作りっぱなし」ではなく、常にアップデートされていきます。


4. 内部統制とレピュテーションリスク

この章では、用語例として挙げられているレピュテーションリスクについて説明し、内部統制との関係を考えていきます。数字上の損失だけでなく、「評判」という目に見えにくい資産を守るうえでも、内部統制は重要な役割を持っています。

レピュテーションリスクとは

レピュテーションリスクとは、企業の不祥事や不適切な対応、情報漏えいなどがきっかけとなって、社会的な評判(レピュテーション)が悪化し、売上の減少や株価の下落、人材採用の難化などにつながるリスクのことです。

近年はSNSやネットニュースの拡散が非常に速く、一度イメージが悪化すると、回復には多くの時間とコストがかかります。そのため、レピュテーションリスクは、企業にとって非常に重要な経営課題となっています。

内部統制とレピュテーションリスクの関係

内部統制は、不祥事や法令違反、重大なミスの発生を防ぐことで、レピュテーションリスクを低減する役割を果たします。たとえば、個人情報の取り扱いに関するルールやチェック体制が整っていれば、情報漏えいの可能性を減らすことができます。

また、問題が発生した場合でも、内部統制として定められた報告フローや対応ルールが機能していれば、早期に事態を把握し、適切な説明や再発防止策の提示が行いやすくなります。こうした迅速かつ誠実な対応は、企業の評判悪化を最小限に抑えるうえで非常に重要です。


まとめ

内部統制は、企業が健全で効率的な組織運営を行うために、自ら構築して運用する仕組みです。業務プロセスを明確にし、職務分掌や実施ルールを定め、適切なチェック体制を整えることで、業務の効率化や法令遵守、資産の保全、財務報告の信頼性向上など、さまざまな目的を実現していきます。

その内部統制が実際に機能しているかを継続的に確認する活動がモニタリングであり、ここから得られた気づきをもとにルールやプロセスを見直すことで、内部統制は常に改善されていきます。また、不祥事や情報漏えいなどによるレピュテーションリスクを抑えるうえでも、内部統制は重要な役割を担っています。

ITパスポート試験では、内部統制の定義や目的とともに、業務プロセスの明確化、職務分掌、チェック体制、モニタリング、レピュテーションリスクといった用語のつながりを理解しておくことが大切です。単なる管理のための仕組みではなく、企業の信頼性と長期的な成長を支える基盤として捉えながら、学習を進めていきましょう。

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この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
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