【ITパスポート試験】No.023|コンプライアンス

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、プロモーションが含まれています。

コンプライアンスというと「法律を守ること」というイメージが強いですが、実際にはそれだけでは足りません。企業や組織では、法令に加えて、倫理規定や行動規範、人権尊重やハラスメント防止など、より広い意味での「守るべきルール」が存在します。この記事では、そうしたコンプライアンスの考え方と、「ビジネスと人権」「ハラスメント」というキーワードをセットで整理します。


目次

1. 組織に求められるコンプライアンスと倫理

この章では、企業や団体がコンプライアンス向上のために、どのような仕組みやルールを整えているのかを解説します。ポイントは、法律だけでなく、会社独自の倫理規定や行動指針も含めて「守るべきルール」と考えることです。

企業の倫理規定と行動規範

企業のコンプライアンスは、単に法律に違反しないようにするだけではなく、「社会から見て望ましい行動を取ること」まで含めて考えます。そのため、多くの企業では就業規則とは別に、倫理規定や行動規範、企業理念などを定めています。

具体的には、取引先との公正な取引、贈答や接待のルール、情報漏えいの防止、反社会的勢力との関係遮断など、法律に触れないグレーな行為も含めて「これはやらない」という基準を明文化します。社員は、業務遂行にあたってこれらの規定を意識し、自分の判断だけに頼らず、組織として定められた価値観に沿って行動することが求められます。

このような倫理規定があることで、社員は迷ったときに立ち返る軸を持つことができ、企業全体としても不祥事の予防や信頼性の向上につながります。


2. 職場で守るべき人権と尊重の姿勢

この章では、「ビジネスと人権」という観点から、企業や組織がどのように人権を尊重しながら事業活動を行うべきかを説明します。人権は個人の問題ではなく、企業のコンプライアンスの一部として位置づけられています。

ビジネスと人権

ビジネスと人権とは、企業活動が人々の基本的な権利を侵害しないようにするという考え方です。例えば、児童労働や強制労働を利用しないこと、差別的な採用や評価を行わないこと、安全ではない環境で働かせないことなどが含まれます。

グローバル化が進む中で、企業のサプライチェーンは世界中に広がっています。自社の工場だけでなく、取引先や下請け企業においても人権侵害が起きていないかを確認し、問題があれば是正していく責任がある、という考え方が広まりつつあります。

職場レベルでは、性別・年齢・国籍・障がいの有無・宗教などを理由に不当に扱わないこと、多様な価値観を尊重することが重要です。こうした人権尊重の考え方は、単に「法律違反を避ける」ためだけではなく、組織の信頼やブランド価値を高めるうえでも不可欠な要素になっています。


3. ハラスメント防止と健全な職場づくり

この章では、コンプライアンスの重要なテーマである「ハラスメント」について取り上げます。ハラスメントは、職場の雰囲気を悪化させるだけでなく、メンタルヘルスの悪化や離職につながり、組織にとって大きな損失となります。

ハラスメント

ハラスメントとは、相手の人格や尊厳を傷つける言動や行為の総称です。代表的なものとして、上司の立場を利用した叱責や圧力などのパワーハラスメント、性的な言動によるセクシュアルハラスメント、妊娠・出産・育児休業などを理由としたマタニティハラスメントなどがあります。

ハラスメントの特徴は、行為者に悪気がない場合でも、受け手が「つらい」「不快だ」と感じることで問題になる点です。冗談のつもりの一言や、軽いからかいのつもりの行動が、相手にとっては深刻な精神的負担になることもあります。

企業や組織は、就業規則や社内規程でハラスメントを明確に禁止し、相談窓口を設けるなどの体制整備を進めています。また、管理職向けの研修などを通じて、どのような言動がハラスメントにあたるのかを理解させることも重要です。社員一人ひとりが「これは相手を傷つけないか」「立場の差を利用していないか」と自問し、互いを尊重する文化をつくることが、コンプライアンス向上に直結します。


まとめ

コンプライアンスは、法律を守るだけでなく、企業が独自に定める倫理規定や行動規範を含めた「広い意味でのルール遵守」を指します。その中には、ビジネスと人権の考え方に基づく人権尊重や、ハラスメントを許さない職場づくりも含まれています。

企業等のコンプライアンス向上のためには、業務遂行において法律以外にも守るべき基準があることを理解し、日々の行動に落とし込むことが大切です。ITパスポート試験では、コンプライアンスの定義だけでなく、「ビジネスと人権」「ハラスメント」といったキーワードと結びつけて覚えておくと、出題の意図がつかみやすくなります。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の活動を陰ながら応援している、しがないソフトウェアエンジニア。
サトシ ナカモトの戦友。
ITやソフトウェアに関することをわかりやすくまとめ、多くの人にそれらを知ってもらおうと活動しています。
ご質問やご要望、お仕事依頼がございましたらお問合せフォームよりお願いいたします。

コメント

コメントする

CAPTCHA



reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

目次